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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
起きる不可思議、きっと何かが憑いている?
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すっかり怯えてしまったロアは自分のベットに乗って布団を被ってうずくまってしまった。

そんな様子を俺とアヤネは、じぃっと見つめる。


「ラムちゃん何かあったのかな?」

「ロアが恐れるくらい酷い事をしたんだろうな……ただ横を通り過ぎただけで」


言ってしまえば八つ当たり、きっと俺とラキュが近寄れば殴られる……のではなく何時も以上に過激なコスプレをさせられるんだろう。


そう思ったら寒気を感じてしまった、もうヴァームは熊並みに恐れなければいけなくなってしまった。


「ごめん、ちょっといいかな?」


と思った矢先だ、申し訳なさそうにラキュが入ってきた。


「別にいいが、何かあったのか? あっ、ヴァームの事か」

「察しが良くて助かるよ」


ヴァームの影響力は凄まじい、例えるならば台風の様な物だ。

なんども言うが近付かない方が良い、近付いたら災害に巻き込まれるからな。


「怒るなら静かに怒ってくれよな……」

「うん、八つ当たり良くない」

「全くもってその通りだよ」


俺とアヤネの言葉を聞いてラキュは頷きながら椅子の方へ近付いていって座る。

ふぅとため息をついたあとこう言ってきた。


「聞いた話だとラムが訳もなく叩かれたとか」

「うわ、それはダメだな、相手がドMでも」

「うん」


と言うか、殴るのは全体的にダメだ。

理由があっても関係ない、そう言えばロアはラムをしばかれてるのを見てたんだよな。


「あぁうぅ、恐い、ヴァーム恐い」


まるで呪文の様に呟いてる、余程恐かったんだな。


「ねぇ、姉上どうしたの?」

「ラムがしばかれるのを見たらしい、で……こんな状態だ」

「ヴァーム、一体何をやったのさ」


まったくその通りだ。

魔王をビビらせる事ってそうないと思うぞ、とその時だ「そろそろ座ったら?」とラキュが言ってくるので座る、因みに正面にラキュ、隣にアヤネと言う形で座ってる。


「まぁあれだよ、騒ぎが落ち着くまでじっとしてるのが良いよね」

「あぁ」


そうだよな、それに限るよな、アヤネも同じ事を思ったのか首をこくこくと縦に振るう。

あっ、でも今までこんな風に逃げなきゃいけない状況になった時、逃げ切れた事ないな。

やばい、一気に不安になってきた、くそっ、家の中で台風が来た気分だ。


「ねぇシルク、らっ君」

「なんだ?」

「なにかな?」


くいくいっと俺の服の裾を引っ張ってくるアヤネ、続けてこう言ってくる。


「ラムちゃんが来てる」

「「え?」」


上を指差すアヤネ、見てみると……いた。

アメーバ状になったラムが、じぃっと俺達を見てた、その瞬間「うわぁっ!」と声が上がってしまった。

普通に恐い、なにやってんだラム!


「ふっふふふっ、凄まじいご褒美を受けてしまいましたわぁ……ふふふ」


アメーバ状のラムは嬉しさで身体が震えてる、その姿を見た俺とラキュは絶句した、アヤネは「ちょっと気持ち悪い」と呟いてる、うん……正しいな、それは。


「えと、ラム、何時からいたの? あとそろそろ元に戻って欲しいんだけど」

「ふふふぅ……」


ラキュ、それ俺も思った。

妖しく笑うラムはゆっくりと落ちてくる。

その時、べちゃぁっ……って音が鳴る、その後は元の姿になる。


「実はラキュ様の後をついてきましたの……気付きませんでしたわね」

「主の弟をストーカーしないでくれるかな?」

「善処いたしますわ」


善処じゃなくて完全に直せ。

色々とアウトだぞ、アヤネなんかまだ白い目でみてるんだからな、気付いてるか?

あのアヤネが白い目をしてるんだぞ、普通驚く様な事が起きても呑気に「すごぉい」って言うアヤネがだ!


「あらアヤネさん、その眼素敵ですわぁ、もっと見てくださいましっ」

「……やだ」


ぷるんぷるん震えながら言うラムに対してアヤネは素で嫌がってる、さっきからずっと俺の腕にすがりついてる、こんなに嫌がるアヤネは初めてだ。


ぷるるんっ……。

髪の毛を靡かせる、その後優雅に笑う、え、なんで笑ったんだ?


「何の用かな? わざわざストーカーしてここに来たと言う事は何かあるんでしょ?」


足を組んで「やれやれ」って言いたげにてを広げて言うラキュ、まぁそれを聞くのは当然だよな、意味もなく着いてきたら恐ろしいし。


「あら、用が無くては来ては言えませんの?」

「……用は?」

「むっ、連れませんわね……それはそれであたしにとってはご褒美ですわ」


相変わらずの会話をするラキュとラム、彼女は「おほほ」って笑った後、続けて話し出す。


「ヴァームが呼んでますわ、全員衣装部屋へ来てくださいの」

「「……」」


俺、ラキュ、アヤネは顔を見合わせる。

ヴァームの呼び出し、きっと用件はあれに違いない……うわぁ、超いきなくない。

だが行かないと後が恐そうだ……。


そう思ったので仕方なくヴァームの衣装部屋へ行く俺達だった。

あっ、勿論ロアも連れていった、「いやじゃぁぁっ」って言ってたが問答無用で連れていく、これじゃぁ何時もと立場が逆だな。

さぁ……ヴァームは何を仕掛けてくるんだろうな。

事態は深刻だぁ。

ヴァームの仕立てた服を盗んだ命知らずな犯人は一体誰なのか?


今回も読んで頂きありがとうございます、次回の投稿日は7月15日0時になります。

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