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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
いつつめの章 吹き荒れる愛の嵐 世界一可笑しな告白
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夏を先取りしに行こう、と言う理由で行った常夏の海の旅も終わりを告げた。

なぜならロアが飽きてしまったから、と言うか既に皆も飽きてはいたんだが……色々遊んだりした挙げ句帰るのが遅くなってしまった。


で、今はすっかり涼しくなり木の葉も紅葉しかけてきてる。

つまりはもう直ぐ秋だ、まったく、ぶっとんだ旅行になってしまったな。


と言うか、この季節だと日焼けが目立つ、早く治ってほしい。


「だが、色んな想い出があったなぁ」


思い返すと、色んな想い出があるなぁ。

海の家の事、宿での風呂の事、命懸けのビーチバレーの事、後は肝試しとBBQ……あぁそうだ、花火の事もあったなぁ。


「でもあれ、花火って言うのか?」


つい声に出してしまうくらい謎な花火大会をしたのだ。

どんな花火大会か? 説明すると、ヴァームとリヴァイとヘッグが空目掛けて魔法をぶっぱなし星を破壊する、名付けて"星花火"と言うぶっ飛んだ事だ。


本人達は「今後、この星に落ちそうな隕石を破壊しておいた」と口々に言っていたが、それでもぶっ飛んでいる、俺はあれを花火とは認めない。


たっ確かにヴァームが「どうです皆様、綺麗な花火ですよ、ふふふふ」と言っていた様に綺麗だった。


魔法で撃ち抜かれた隕石は盛大に弾けて、七色の閃光を放ち塵と化していく……その塵も、まるでパウダースノーみたくに夜空に広がっていった。


あれが綺麗だったのは認めよう、でもな……その間俺は口をぽかーんとだらしなく開けて見ていたよ。

何故かって? 何度も言っているがぶっ飛んでるからだよ!


それなのに、それなのにだ……俺以外の奴は皆それに見とれてたよ、驚きの表情なんて微塵も見せなかった。

アヤネに至っては「きれー、ロマンチック」と言う始末。


隕石を破壊して出来た花火擬きを見て感想がロマンチックだと? 正気か!


で、隣にいたロアが「これならキスできる雰囲気だと思わぬか?」ときた。

出来るか、断じて出来ない……まぁ、その時俺は放心しててキスされてしまった。

相変わらず、その……柔らかくて、良い……匂いで、気持ちよかっ……ごほんっ。


とっ兎に角、そんなぶっ飛んだ花火大会があったんだ。

それ以降も色々ぶっ飛んだイベントをやっていった……例えば、現地調達サバイバルとか、どきっ真夏のたから探しとか……それはそれは毎度毎度続いて、下手したら心労で倒れてしまうじゃないか? ってぐらいドギツいイベントが開催された、詳細は割愛させてもらう、すまん……説明するのがしんどいんだ。


……と、個人的な話しはここまでにしてそろそろ本題に入ろう。

えと、そんなイベントを色々とこなしてロアが「飽きた」と言ったので帰ってきたんだ。

因みにリヴァイはそのまま残って、ヘッグは「イケメンは颯爽と去るものさ」とか言って何処かへ飛んでいってしまった、去るときもヘッグはいつも通りだな。


向こうは常夏だったから季節の温度差を感じちょっと寒く感じた、それと同時に何故か懐かしさも感じた、目の前には魔王城、その脇には門番の地獄の番犬ケルベロスことケールがいる。


眼前に広がる城下町も懐かしくて、「あぁやっと帰ってきたんだな」と思ってしまう。

この匂い、この感覚……誘拐されて思うことでは無いと思うが、なんか嬉しいな。


そう思い微笑むと、隣にいたロアとアヤネも笑う。

皆も口々に「懐かしい」とか「やっと帰ってきましたね」とか言うのが聞こえる。


やっぱり故郷が一番なんだな。

なんやかんや思うことがあるが海は正直楽しかった……嫌な事もあったが楽しかった、それは間違いない。

だが、やはり故郷に帰ってこそその楽しさをより感じるんだと思う。


俺も元いた街に帰ることが出来たらそう思うんだろうか……。

柄にもなくしんみりしていると、何かに気付いた。


なんだ? 何かが聞こえる……大人数がこっちに走ってくる足音、それに大勢の人影が見える、……っ!。


その時俺は全てを察した、ここにいては危険だと!

だから城へ逃げ込もうとした、ラキュも同じ事を思ったのか同じ様な行動をする。


だが、それを制する様にヴァームが前に立ち塞がり、抵抗する暇もなく取り押さえられてしまった。


そしたらだ……。


「帰ってきたぞぉぉぉっ」

「二大男の娘の帰還じゃぁぁいっ」

「うっひょぉぉっ、日焼けしてるっ、日焼けさいこぉぉぉっ」

「え、俺は普通が良いわ」

「なにっ、日焼けの良さが分からんとは貴様それでも魔族かっ」

「魔族だけど?」

「そういやそうだった、がはははははははっ」


城の前に現れた多種多様の魔族達が俺とラキュを取り囲み馬鹿話を開始した。

ははっ、ははは……これも久々……ではないな、海でも同じ様な事があった。

あったが、海の非では無くヒートアップしたこの状況、一言で言うのなら最悪だ!


「てめぇらっ、この日の為に用意したあれをするぞぉぉっ」

「「おぉぉぉっ!!」」


この日の為に用意したあれ? 疑問が浮かんだが直ぐに分かった。

パレードの時に使う土台だ、やたら派手な装飾をしてて立派なお立ち台まで完備……絶対に乗るものか、と意気込んでいたが、いつもの数十倍ヒートアップした魔族に勝てる訳もなくその土台に乗せられた。


それから、3日3晩夜寝ることなくお祭り騒ぎ……が始まるかと思いきや、意外な事に事態は急変する。


「っ! 皆様一旦中断です!」


それはヴァームのこの一言から始ま、どうやら帰って来て早々に事件が起こったみたいだ、物凄く助かった……だが、これ以上に酷い事が起きるのだけは、勘弁して欲しいな。

帰って来てもいつもの日常には代わりはありません。

さぁ、この章ではどんな日常を送るのでしょう? そんな訳で新章始まるよぉっ。


今回も読んで頂きありがとうございました、次回の投稿日は7月9日0時になります。

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