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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
海に行く準備と同時に心の準備をしよう!
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あれから1週間の月日が経った、その間にアヤネはラキュに案内して貰ってきちんとクータンに謝ったらしい……俺はいかなかった、と言うか行けなかった、何故ならラキュが案内役は「1人で良いでしょ?」と言って何か言いたげだったアヤネの手を引っ張って連れていったからだ、ぽつんと城に残された時は少し寂しかったなぁ……と思い出す。


「しっるくぅ……相談があるのじゃが良いかの?」


外は相変わらずの雨模様、もう本格的に梅雨入りか? じめじめしてて気分もまいってると言うのに妙にうきうきした様子のロアに話しかけられた、なので素っ気ない態度で反す事にした。

あぁ、因みに俺の今の服装は雨を意識した服装だと言う理由で"てるてる坊主"と言う物を参考にした服を着てる……てるてる坊主とはアヤネ曰く東の地方に伝わる天候を晴れにするおまじないに使う物らしい、天井から吊るして使うらしい……吊るされないよな?


「今は休憩中だから嫌だ」


現代ロアと一緒にロアの部屋にいる、アヤネはラキュに連れられ何処かへ行ってしまった……最近ラキュは良くアヤネを連れ出すのだが、確実にあれだろうな、だってラキュは言っていた「好みのタイプ」だと。


「夏と言う物を先取りしないかえ?」


ロアは俺の話を全く聞いてない、嫌だって言ったのにな……って、は?


「すまん、今なんて言った?」


今ロアは物凄く変な事を言った……絶対に言った、間違いない、夏の先取りと……。


「もう1回言ってくれないか?」


ちゃんと聞こえていたが変に聞き間違いをしたのかも知れない……だから聞き返してみた。


「夏の先取りじゃよ! 夏の先取り!」


答えは同じか……どうやら聞き間違いじゃないみたいだな、まぁ聞き返しても言ってる意味は訳が分からないけどな、夏の先取りなんて意味が分からな過ぎる……何言ってんだ? って言ってやりたい気分だ。


「なんじゃ? その阿呆な事言ってるなぁって言いたげな視線は……」

「いや、実際そう思ってるが?」


だって本当に変な事なんだ、変に思うのは仕方無いだろう。


「では言葉の意味を説明してやるのじゃ」

「あぁ頼む」


今のままだと訳が分からないままだからな、説明してくれると有り難い、あっでもそれが厄介な事と分かった瞬間俺は抵抗するからな? お前に「逃げも隠れもしない」と言ったがそれとこれとは別問題だからな?


「人間界には梅雨と言うのが存在するじゃろ?」

「あぁ、あるな」


ラキュにも言った気がする、そしたら魔界では常に快適な気温だと言われたなぁ……羨ましいなぁっと思ったのを覚えている。


「なんと言うかジメジメしておらんか? それにこれから蒸し暑くなるのじゃろ?」

「そうだな、本格的に夏が始まったらちゃんとした暑さが出てくるからな……で、それがどうかしたか?」


なんか意味深に「くふふふ」って笑ってる……絶対に録な事考えてないだろ。


「だからこその先取りじゃ!」

「意味わからん」


説明してくれても意味が分からない……もっと詳しく話せ! と言いたい所だが止めておこう、だって絶対に変な事を言うからだ、それが分かっていて自分から聞く必要はないよな? それにロアなら……聞かなくても勝手に話すだろう!


「だぁかぁらぁ先取りじゃよ先取り! 人間界には常夏と言う常に夏の気候の場所が存在するのじゃろ? そこに行くのじゃ! 今から夏が終わるまでそこに暮らそうぞ!」


ほらな? ……んんっ? 今物凄い事を口走らなかったか?


「えと……ごめん、もう1回言ってくれ」


きょとんとした顔でロアに言ってみる、するとため息を吐かれた、そして呆れた表情になり俺の側までやって来て俺の耳に近付き囁いて来る。


「だから……わらわと2人で一緒にに過ごすと言う事じゃ」


くすぐったい、そしてどこかで甘く感じる声音でとんでも無い事を言ってきた恍惚とした表情で言うロア、俺の顔も一気に紅くなり恥ずかしくなってくる。


「おま……一緒にって……うむっ!」


だから更なる追求をしようとした、したのだが唇を防がれた、ロアの唇でな……つまりあれだ……所謂キスって奴だ。

柔らかくて、甘くて気持ちの良い……って何を悠長に感じてるんだ! ロアを突き放し向こうへ追いやる。


「そんな緊張する事でもなかろう? 別に良いじゃろう? シルクの店は臨時休業と言う事にすれば良い」

「いや、良くない!」


何を阿呆な事を言ってるんだ、一緒に住むって事は……その……あれだ、同姓って事になるんだぞ!


「くふふふ………顔が真っ赤じゃな、可愛いやつめ」

「可愛い言うな阿呆!」


だっだめだ完全にロアのペースだ、なんとかして今の状況を打開しないと……。


「逃げも隠れもしないのじゃろ? だったらわらわの願いを聞いて欲しいのじゃ」

「……いっ今それを言うのはひっ卑怯だぞ」

「シルクが言った事じゃろ? あれは嘘なのかえ?」


うっ嘘じゃない……恥ずかしがりながらもそう答える俺、するとロアは笑顔をみせる。


「ではわらわの願いを聞いてくれるのじゃな?」

「あっあぁ……だが勘違いするな? 俺はあくまで自分の中の答えを出す為にロアの言う事を聞くんだからな」

「くふふふふ、分かっておる分かっておる……そうと決まれば早速準備をするのじゃ」


本当に分かってるのか? ロアは立ち上がってクローゼットの方へと駆けて行きその扉を開いた……。


「んなっ! うぎゃぁぁぁぁ!」


そしたらロアが悲鳴をあげた、ビックリした俺はその方を向いた。

いっ一体何事だ! って……え? あの……え? 俺は戸惑った、当たり前だ、だってクローゼットの中から……。


「やっやぁシルク君……」

「シルク、浮気許さない」


気まずい顔をしたラキュと怒った顔のアヤネが出て来た……えと、何でそんな所にいるんだよ!

雨の日の話し、またまたロアさんが何かを提案して何故かアヤネとラキュが一緒のクローゼットから出てくる……うん、一応言うけど深い意味なんてないですからね?


次の投稿日は23日の0時です!

是非お楽しみに!

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