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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
いつでもどこでもドタバタ生活(らいふ)!
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ここに来たのは2回目、うん……やっぱりここは夜だ、上は朝なのに不思議に思う、恐らくずっとここにいたら時間感覚が分からなくなるだろう、それとここにいる連中の殆どがホラーな奴等だ。

ゾンビやら包帯男やら……そりゃもう沢山いる、毎日がハロウィンみたいなもんだな。


「やっぱり派手な家だな」

「くふふ、確かに言えてるかも」


俺とラキュは早々に仕事を切り上げここに来た、目的地はクータンの家だ、で今その家の前にいる訳だが……やっぱりこのカボチャハウスは圧倒的存在感だな、ある意味立派な家を持っているのに住んでる本人は消極的……自分に自信を持てば良いのにな。

ふぅ……とため息つき一歩を踏み出す。


「……んー」


そしたらラキュがまた立ち止まって考える仕草をとった。


「どうかしたか?」

「いや、クータン晴れ以外の日は外に出る事が多いんだ……だからいるかなぁって思ったんだ」


えっ……もしいなかったらここに来た意味がなくないか?


「もしいなかったらどうするんだ?」

「んー、素直に店を開くしかないね……」


今閉めたのにまた開けるのか? ははは……それだけは勘弁だ。


「いるのを祈るしかないか……」

「そうだね」


俺とラキュは祈った、どうかいますように……心から願った、そしてラキュがドアノブを掴んだ、回ればいる回らなければいない……運命の分かれ道が今ここに現れた。

ラキュは深呼吸をした後ゆっくりとドアノブを回した、それを見守る俺は唾を飲み込んだ、周りにいる奴等の変な人を見る目線を感じなから得た結果は……ガチャリーー

ドアノブは回った、それすなわち扉は開くと言う事! やった! クータンはいた。


「よっ良かった……」

「うん、そうだね……」


その結果に安堵する俺達、ほっと一息ついた後お互い頷く、さぁ入ろう……そして暫くここにいさせて貰おう、そう思ってラキュが扉を開けた。


「お邪魔するよ、くーちゃ……」

「いやぁぁぁっこっ来ないでぇぇ!!」


ドゴンッーーー

そして一歩を踏み込んだ瞬間、ラキュの顔面にキャンドルスタンドがぶち当たる! ラキュはまるで放物線を描くかの様に綺麗に倒れ、後頭部を地面に打ち付ける、火はついていなかったからこれ以上の惨事は起こらなかったが……えと、1つ言わせてくれ。


「なっなにやってるんだ!」

「へ?……あっあわわっごっごめんなさいぃぃ!」


俺の一言でハッ!となったクータンは直ぐ様ラキュに駆け寄る。


「らっラキュさん……いっ生きてますか?」

「……うっうん、いき……てるよ」


力なく途切れ途切れに答えるラキュ、酷い目にあわされた本人を目の前にしているのにラキュは細く笑っている、なっ何で笑ってるんだ? 額に当たって血も出てると言うのに……もしかしてそう言う趣味が……。


「シルク君……今変な事…考えてる……だろうけど、笑ってるのは……あまりに衝撃……的…だからだよ?」

「そっそうか」


うん、無かった……良かった安心した。


「ごっごめんなさいごめんなさい……ちょっとした…勘違いなんですっ、だから許して下さい!」


がくんがくんとラキュを揺らしまくるクータン、このままだと止めを指しそうなので止めさせる。


「とっ取り合えず手当する為に中に入らないか?」

「は……はい」


慌てるクータンを落ち着かせ俺はラキュに肩を貸し立ち上がらせる。


「くっ……くらくらするよ、星が見えるね」


まずい、ラキュが何かを見ているようだ……やはりキャンドルスタンドが顔面に当たってかなりのダメージを喰らったらしい、まぁ大きな鉄の塊見たいな物だからな……何か見えてしまうのは仕方無いだろう。


「よっと……歩くぞ?大丈夫か?」

「だっ大丈夫……だよ」


だっ大丈夫じゃないな……足元がくがくだ……ダメージが足に来てるな、酔っ払ってるみたいに千鳥足になってる。


「はわわ……」


あっ……まだクータンは慌ててる見たいだ。


「えと、取り合えず水用意してくれるか?」


だから指示する事にした、多分クータンが「はわはわ」言ってるのは自分が何をしているか分からないからだろう、だから指示した、そしたら大丈夫だろう……多分……。


「わっわかり……ました!」


ささっと家に入るクータン、さて俺も家に入ろう、うぉっ! 1度目にした筈だがやはりこの玄関の所にある鎧、迫力があって怖いな…。


「と、怖がってる場合じゃないか……」


アンティークな家具が溢れる室内の中央付近にあるソファーに行き、ラキュをそこに寝かせる。


「こっ……これ…たんこぶ……出来るかな?」

「さぁな……って触るな! 気になるのは分かるけど!」


ソファー寝かせたラキュは痛そうに表情を歪ませ額を擦ろうとする、それを俺は止めた、ラキュが言った通りたんこぶが出来ているからだ、だから触らない方が良い、下手に触って怪我が悪化するといけないからな。


「おっお水…用意…出来ました!」


キッチンにいたクータンは洗面器いっぱいの水をこっちに持ってこようと近付いてくる。

んー……クータン相当慌ててる様子だったな、これは水を溢しそうだ、一応注意するように言っておくか。


「溢さない様にゆっくりな」

「はっはひ!?」


あっ、気を付けるようにと思って言ったんだが逆効果だったみたいだ……身体ががくんがくん震えてる、それに合わせて洗面器の水もたぷんたぷん揺れてる……これは溢すかもしれない。

そんな心配をする俺……そう思ったのがいけなかったのかその心配が的中してしまう……。


「あっ……あと…すっ……すこ……しぃっ!」


ぐげんっ……クータン、俺とラキュの前まで来て足をつまづく、まるでドジっ娘の様に見事につまづいた! あぁ……やっぱりか、内心思った俺は宙に舞う洗面器を眺めてそれを交わす、だがラキュにズボンを掴まれ引き寄せられた。


「僕ばかり不幸な目には……あばばばば」


恐らく最後は「合いたくない」と言おうとしたんだろうが水を被った為変な風に聞こえてしまった、因みに俺は……もちろん被った、頭からばっしゃーんっとな……お陰でバンダナも何もかもが濡れてしまった。


「ごっ……ごめんない!本当に……ごめんない!うっうっ……あたい……いつもいつも失敗ばかりで……ぶつぶつぶつ」


クータン、つまづいて転けて三角座りをしてぶつぶつとネガティブ発言をし始めた……。


「店に居ようがここに来ようが結果は変わらなかったな……」


そう思った俺は静かに身体を拭くためにタオルを探した、身体を拭いた後はラキュとクータンを何とかしないといけないな……はぁ、これはこれで胃が痛くなってくるな……城に戻ったら直ぐ寝よう、そうしよう……。

クータン久々に登場しました!

彼女のネガティブさとドジっ娘さを出したお話し……どうだったでしょうか?


今回も読んで頂きありがとうございました、次回の投稿日は19日の0時になります……だったんですが、下書きの方が珍しく沢山書けたので投稿日は18日の0時になります、是非お楽しみに!

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