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どうやら魔王は俺と結婚したいらしい  作者: わいず
始まりました大波乱っ乙女同士の大勝負!
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わらわがヴァームの不条理な肩への攻撃を受けている時だ、勝負に負けたアヤネがわらわを連れて皆から離れた場所まで連れていかれた。


「なっなんじゃ?何の様じゃ?」


アヤネはわらわを助けたわけではないだろう、何か訳あってわらわをここに連れてきた……何の事かさっぱり分からん、でも結果的にわらわの肩が潰れずに済んだので心の中で感謝しよう、このご恩は明日まで忘れぬぞ。


「ちょっと言いたい事があるの」


ずびしっーー

おぅ……指を指されてしまった、何か顔がやる気に満ち溢れておるし何か奇妙じゃのぅ…、そなたはわらわに負けたと言うのに。


「私、ここに住む」

「…はえ?」


んっ……んー? えと……なんじゃ、こやつ何かとてつもない事言わんかったか?


「もう一度言うよ、私ここに住む」

「まっ待て……少し待て」


うん、何か心臓がどっくんどっくんーーと激しく脈打ってきおった……何言い出すんだこやつは!


「おっお前……何でそんな事を言う!」

「負けたから」


分からんっそれだけじゃ全くもって分からんっもっと中身を話さんか!


「だっだから?」

「魅了出来なかった……」


は? は? はぁ? また断片的な答えが返ってきおったなぁ……不服じゃが詳しく聞こうか? だっていきなり「ここに住む」とか言われたら気になるしの……。


「全く分からんから率直に聞くぞ? 何故そんな事を言う」

「あっ、言って無かった」


はっ!となったアヤネは「しまった」と呟きこほんっと咳払い……さて、詳しく聞こうじゃないか。


「私は勝負に負けた」

「うむ、そうじゃな」


勝敗は2勝1敗でわらわの勝ち……くふふ、これによりシルクはわらわに惚れたに違いないのじゃ。


「シルクを魅了出来たのは魔王、私は負けたから出来なかった、だから悔しい……」

「ほぉほぉ……で?」


勝負に負けて悔しい……知りたいのはその先、アヤネは何と言う?


「だから何時の日かシルクを魅了する為にここに住む、適当な部屋に住むから完璧な策」

「うん、アホじゃなお前」


何か深い理由があるかと思ったら無かった……自分勝手な理由だった! 自分勝手なのはいけないんじゃぞ!


「アホじゃない……」

「頬を膨らませて怒ってもアホなのはアホなのじゃ!」


物凄い睨んでくる……だがわらわはここで「うん」と言ってはいかん、アヤネが住んだらシルクとのイチャつきが邪魔されるではないか! と言うか!


「お前は勝負に負けたんだから帰るのが筋じゃろう!」


とわらわは正論をぶつける、そしたらアヤネはしれっとした表情でこう返してくる。


「勝負を始まる前にそんな事言ってませーん、私はただ勝負するって言っただけ……何勘違いしてるの?」


ぐっ確かに言ってないのじゃ……だっだが腹立つっまんまとしてやられたって感じじゃ!


「そんな理屈が通ると思うのかえ?と言うかそれを言うなら貴様もそう言う事言っておらんからな!」


わらわはアヤネを睨み付けて言ってやる、だが……。


「聞こえませーん」


と茶化して返してきおった……これを真剣に言ってるんだから余計に腹立つ!


「だから住ませてね?断っても住むけどね……」

「おっ横暴じゃ!」


こっこんな横暴な事……未だかつて誰も言っておらんのではないか? どこまで自分の思いを満たすのに率直なんじゃ!


「わらわは許さぬぞ!」

「そう……じゃ勝手に住むね」

「はっ話が通じぬ……てっ手に追えぬ!」


ぎりっーー

歯軋りするわらわ、アヤネは疑問を浮かべて小首を傾げる。


「どしたの?」

「お前の性で悩んでるんじゃ……」


くっ……こやつとの会話は胃に穴が空きそうな位にストレスが来るのじゃ、シルクは良く耐えられたのぅ、わらわには到底無理じゃ。


「そう……」


いや「そう……」ってお前……偉く素っ気ないではないか!


「美味しいご飯と暖かいベットとシルク付きの部屋をよろしくね?」

「図々しくふざけた事要求するのやめんか」

「やだ」


わらわはぎりっと拳を握る、ほんっと腹立つ奴じゃな!


「と言う訳でよろしくね」

「よろしく出来るかぁぁっ!」


わらわは大きく叫ぶ、そしたらシルク達が びくっと反応した……まぁ急に大きな声を聞いたらこうなるじゃろうな、とそんな事をスルーしたアヤネはシルクの方を見るそして すぅ……と息を吸い込む。


「私、ここに住むよぉぉぉ!」


大声で言ったのはそんな言葉じゃった……数秒間場の空気が固まった、10秒程経つと皆がざわざわしおった、するとシルクはひきつった笑みをして大きく息を吸い込んで叫んだ。


「まじかぁぁぁ!!!」


シルクの声が木霊した……それはもう山彦の様に……恐らくシルクはこう思ってるじゃろうな修羅場……と。

うん、わらわもそう思うのじゃ……くっくふっくははは! 勝負には勝ったのにアヤネの入居、わらわは拒否しとるのに聞き入る様子も無い。

何か知らぬがとてつもなく悔しい……まっまぁアヤネがここに暮らそうがわらわのする事は変わらぬ……シルクと結婚する、その為にわらわは頑張るのじゃ! と思っておるが本当はアヤネがこの城に住むのは反対なんじゃからな! という訳でわらわとシルクの仲にアヤネと言う邪魔者が入ってしまった……だが関係無い! わらわは……わらわは必ずシルクを魅了し結婚にこぎ着ける! わらわの戦いはライバルの出現により急展開を向かえる、とそんなナレーションを入れた所でこの勝負は閉幕、結果はわらわの勝ちで、それで得たのはアヤネの居候と言う何とも迷惑な報酬じゃっふざけんな! わらわの怒りも何処吹く風……アヤネは無邪気に笑っておる……厄介者が加わってこれから忙しくなりそうじゃ。

こんな感じになりましたがこの章はこれで終わりです!

次回からは新章スタートです、新たな仲間?アヤネが加わって一段と賑やかになりますよー!


今回も読んで頂きありがとうございました。

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