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新撰組のためにっ  作者:
土方と沖田
2/5

見廻り(伊織目線)

時は幕末...

京都守護職に会津藩藩主松平容保がつき、新撰組を結成した。日本は幕府側と朝廷側に分かれ、内乱が起きた。

これはそんな動乱の時代の物語...

ーーーーーーーー

…俺は新撰組一番隊隊員、鬼の副長こと土方歳三の…「弟」の、土方伊織だ。ちなみに言うと歳は15だ。

……いや、本当は「弟」ではない。

俺こと土方伊織は体の構造から言うと…

「女」だ。しかし俺が女ということを知るものは数少なく、兄様くらいしかいない。

新撰組にも男として入隊している。

…まあ、そうじゃなきゃ入れないからな。

入隊したいと言った時、兄様は大反対だった。しかしほぼ一日にわたり説得したところ…

「…好きにしろ、どうなっても俺ァ知らねェからな」

…とのことだ。

そうして俺は一ヶ月ほど前に入隊してきた。

性別がバレないよう、出来るだけ他人との接触は避けているのだが...

「今日は絶好の見廻り日和ですね〜」

「……………。」

…見廻り日和ってなんだよ。

丁度今、俺と一緒に見廻りしているのは同じ一番隊隊員の沖田……沖田……なんだったか…こいつの名前は…

「…お前、誰だっけ、」

名前を忘れるのは悪いので、一応聞いて見ることにした。

「やだなあ、覚えてないんですか?沖田日向ですよ」

「そうか、すまんな。名前が思い出せなくて」

「ま、いいですよ、ちゃんと覚えてて下さいね?」

「…ああ。」

微笑みながらこいつ…沖田は答えてきた。

こいつは一番隊組長、沖田総司の弟で、二週間ほど前に入隊してきた。なかなか剣の腕がたつらしい、そのうち手合わせしたいものだ。

整った顔立ちにそこそこ長い茶色がかった髪を後ろで束ねている。身長は…俺より少し高い、だから大体五尺と二、三寸くらい(およそ170cm)だろうか。歳は多分俺と同い年くらいだな。常に微笑みを絶やさず、こんな無愛想で扱いにくい俺でも、話しかけてくれる優しいやつだ。

…まあ、本心は苦手だとか思っているのだろうがな。

もちろん、こいつは俺が男だということは知らない。というか知られたら困る。

「いや〜いい天気ですね」

…なんだこいつは。結構話しかけてくるな。出来るだけ話したくないのに、

「…そうだな。」

とりあえず返事は短く返しておく。

「それにしても平和ですねー」

「そうだな。」

「こうも平和だとサボりたくなりませんかー?」

「怒られるだろ」

「真面目だなあ…土方さんはお兄さんそっくりですね」

「…お前もすごく似てるとおもうぞ?組長に」

「そうですかー?嬉しいなあ、

あ、もう屯所着きましたよ?さ、早く入りましょう、お腹、空きましたし。」

「……ああ。」

もう少し話していたかったが、仕方ない。俺も腹減ったしな。

というか、初めてだな。もう少し一緒にいたいとか思ったの。

そうして屯所の中に入ると…

「土方さんっ、そのうち部屋にお邪魔してもいいですかー?」

と、意味のわからないことをこいつが言ってきたので…

「…そのうちな」

と、答えておいた。

それにしても、今日の見廻りは結構楽しかったな。久しぶりに誰かと喋ったしな。

明日も…会えるといいな。そう思った一日だった。


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