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日常2

騒がしい末の弟が風呂に向かった。


部活帰りなのはわかるが、すごく汗でベタベタだった。まぁ人の事は言えないが。

ドロドロのシャツをみて母親が

あらあら、と軽くため息をついている。

仕事前でバタバタしているとはいえ末息子が気になって仕方のないようだ。

まあ、俺は真ん中の宿命で放置されたパターンだ。

三咲は自分の天然パーマをいじりながら気づかれないように拗ねた。

兄弟の中でも天然パーマは三咲だけだ。

クルクルクル~。

兄の晃や伸はストレートなので、とても羨ましい。

二人にしたら俺が羨ましいらしいが。


部活も生徒会も勉強も淡々とこなしてはいるが、正直両親は出来て当たり前の節がある。

少しつまらないと思ってしまいたくもなるが、何だかんだと長兄の晃がしっかり面倒を見てくれているので、今の所は表立って荒れたりはしていない。

タバコ吸うけどな。酒もちょっとね…

お酒とタバコは二十歳から

みんなは守ろうね。

説得力ないな。


と、微妙に暗い思考をストップさせて

「なぁ」

真ん前でバクバク飯を食っている兄貴に声をかける。

「ん?」

兄貴は怪訝そうに箸を止めた。

普段は仕事が忙しいからと、面倒くさがりが相俟って髪を切らずに放置した結果のロン毛が揺れる。

まるで、犬の尻尾のようだ。

「今日、なんか面白いものでもあった?

「なぜ?」

不思議そうな目で見られた。

幻影が見える。

犬の尻尾のような後ろ髪がピンとたった。

何かあるな。

何故か口元がつり上がった。


「いつもだったら、食事中でも検索してはいけないワードの検索結果の内容とか、オカルト話とかバイクの事ばっかり話すのに淡々と飯食ってるから何でかな?って」


そう、いつもなら、ずっとパソコンに向かって淡々とひたすら仕事をしている反動で、家族で食事中は、マシンガントークで飯を食う間も与えてくれない兄貴様が飯を集中して食べているというのが、とっても珍しかった。


「いや…特に理由はないが…多分、ひさびさの休日にオマケに珍しいく晴天だったからかな?」

何やら言葉選んでいるように、首をひねっている。

何か考えている時の兄貴の癖だ。

尻尾もダラダラ揺れている。

少し微妙な間が空いた。







「おーなかすいた、おーなかすいた、おーなかすいたなーーーっと、おーなかすいたー今日のおかずはなんだろなーー」





次の言葉を口から出す前に脳天気な声が響いてきた。



ご機嫌そうに歌っているが破壊的に音痴なので、耳が‥‥痛い!!

俺たちは、揃って耳を塞いだ。


ウヘヘヘと変態が浮かべそうな笑顔で弟の伸がパンツ一丁でやってきた。

その場の微妙な空気が崩壊する。



「お前、シャツは?」

「暑いから着ない!」

ニッコリといい笑顔で伸は言う。

すると、母親がスッと音もなくやってきた。

そして、問答無用でTシャツを着せ、


「じゃあ、みんな行ってくるわね」



と、手のひらをヒラヒラさせて、出かけていった。

伊達に看護士をしている訳ではないようだ。



兄弟みんな唖然としていると、パタンとしまったドアが開き、

「そうそう、ちょうどお母さんとお父さんの休みが重なったから博物館行きましょう。みんな!この日空けててね。じゃあね」

問答無用な言葉を投げて、今度こそ出て行った。

父は空気のように、いつの間にかいなかった。

この中で、今のところ母親に逆らえそうなのは誰もいなかった……




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