僕
似た姿も場所もあった。
思い出させるためかのように、また同じことをしていた。
2人で敷いたレジャーシートに1人で座っていた。
足跡が彼の方にまだ向いていて、空気を読むように春風が真横で吹いた。
置いてくはずのワゴンの中の薄い花びらを外に逃した。
せっかくまだ時間があるのに、物足りない時間が流れていつの間にか終わっていた。
まだ続きを見ていたかった。
声がない時間を僕の目は追いかけて、はっきりと見える世界をまた何層に色付けたをした。
分厚くなった記憶に文字をしまい切れないまま、ただただ生きていた。
邪魔者が現れないように時間が流れない場所にいることにした。
ワゴンの中の花びらは、彼女の肌に透けるように消えた。
後悔がないから、ここには来れなかった。
思い返すように同じようにここにいた。
裸足のまま足跡をつけて歩いていた。薄っぺらい花びらの色くらいにしか、色付いてはいなかった。
詩にはならなかった。
1人でみる幻は、余白のままだった言葉の意味を埋めた。
詩人になった気持ちで詩を見た。
美しい比喩の後ろに僕が立っていた。
それが、生と死に見えた。
生きている姿で、この世界にいた。




