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第五話 魔法ってスゴイ

次の日、私は起きたら調理場でライラさんや他のメイドたちが料理を作っているのを見た。

(皆起きるの早いな)


そんなことを思っているとメイド長のリーアさんと目が合う。リーアさんは手際良く料理を作っている。


「あら、おはようございますユイ様、どうされました?」

「あ、えっと、ライラさんってどこにいますか?一緒に寝たのに朝起きたらいなくて」

「あぁ、ライラ様ならもう仕事に行かれましたよ、あの人実はシスターやってるんですよ」

「シスター!?、なんか意外です」

「だよね、まぁ色々大変らしいけど...ところでユイちゃん、トーストとか作ってみたくない?」

「え?と、トースト?」

「そう、今から私と一緒に作ってみない?」

「...」






「ねぇ、ママ、手伝うことある?」

「別にない、っていうかあんたに何が出来んのよ、気が散るからあっち行ってて頂戴」

「う、うん、ごめんなさい」



「ユイちゃん?」

その時私はちょっとだけ涙目になっていた。

「は、はい!料理、手伝いたいです」

「よかった、じゃあまずは材料切ってもらっていい?」

「は、はい!」

私はまな板に出された材料を切る。人の役に立てて嬉しい。だが、私は嬉しさのあまり手に注意が向かっていなかった。


「いたっ」

不注意で指を切ってしまった、傷口から血がちょっぴり出てしまっている。

「あらあらユイちゃん、大丈夫?」

「う、うん、ごめんなさい...」

「まぁ、慣れてないうちは誰だってそうなるわよ、ほら、水で洗いましょ」

そう言ってリーアさんは水を出し、私の手を掴んで傷を洗おうとしたが...


「うん?あなた、ホントに切った?」

「え?き、切っちゃったよ?血も出てるし」

そう言って指を見ると何故か切ったはずの傷口が見当たらない。

「え!?な、なんで!?血も出てたし傷口もあったのに」

「んー?これは...」

「え、えっと...」

(やばい...ホントは切れてないのに気を引くためにわざと切れたふりしたみたいに思われたらどうしよう)

「あの...」

「ユイちゃん、もしかして回復の魔法?」

「え?」

「いや、回復の魔法が勝手に作用したのかなって、そしたら切れたのに傷口がない説明がつくからさ」

「た、たしかに...」

(やった!私魔法持ってるのかな?)

「よかったね、ライラお嬢様が帰ってきたら伝えてみよっか!」

「はい!」



そして夜8時、ライラさんが帰ってきた。

「ライラお嬢様、おかえりなさいませ、帰ってこられた直後で申し訳ないのですがご報告がございます」

「えぇ...今疲れてるから後にしてほしいんだけど」

リーアさんの横にいた私が言う。

「あ、あのねお姉ちゃん、報告って実は私からなんだけど、後にした方がいい?」

「あぁどしたのユイちゃん、大丈夫だよ私ユイちゃんのことならたくさん知りたいから!今教えて」

(対応の違いが凄い、私からだったら聞かなかったのか)

リーアさんは無表情ながらもどこか複雑な気持ちのようだ。


「で、報告ってなに?」

「えっと、今朝わかった事なんだけど、実は私魔法持ってたの!回復の魔法なんだけど...」

「え?そうだったんだ、凄いじゃん!ユイちゃん、よかったね」

(なるほどね、回復の魔法だったから魔法が出なかったのか、まぁやはり私の目に狂いはなかったわね)

ライラさんは私の頭を撫でる。優しい...

「じゃあユイちゃん、魔法学校通ってみる?魔法極めれば将来魔法で稼げるよ?」

「魔法の学校?」

「うん、魔法を使える人たちが集まる所、ユイちゃんもそこ行ったらきっと楽しいよ」

「そ、そうかな...」


怖いな、まともに人と話したことなんてないし、ましてや同年代なんて。


「あの、ら、お姉ちゃんも魔法学校に通ってたの?」

「うん、まぁね、成績優秀だったよ」

「そうなんだ、凄いねお姉ちゃん」

「そ、だからもしユイちゃんが通うってなったら分からない所とか教えてあげれるよ?どう?通ってみない?」

「...」


正直、人と関わるのは苦手だ。叶うなら、どこにも行かず一生ここで暮らしたいなって思ってた。そんな都合のいいことあるわけないけど。


「うん!通ってみたい!魔法学校に」

嘘だ、ホントは外にも出たくない...けれどライラさんが期待してくれてる以上無下には出来ない。

「そっか!!じゃあ早速入学手続きしようね、13歳からだからもう通えるし」


そう言ってライラさんは準備をするためにそそくさと行ってしまった。


(こっちに来た時奴隷だったんだけど、大丈夫なのかな、奴隷出身も通えるのかな学校)


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