第四話 優しい?
私には魔法がない。
「んー、何も起きないわね」
「...そ、そんな...」
(私の勘が間違ってたのかしら...まぁ、魔法なんてあったら面白い程度だし、別になくても)
その時私はユイちゃんの方を見たらなんと、
「ぐすっ...そんな...」
泣いていた、多分私にバレないように、声を小さくして。
(え?な、何で泣いてんの?そんな魔法使いたかったの?)
「え、えっと...ユイちゃん?」
「!」
ユイは瞬時に涙を拭き取る。
「も、もう少しだけ、頑張らせてください!!絶対魔法を使えるようになりますから、だから...お願い...」
泣かないように堪えてるものの、今にも泣き出しそうだ。
(なるほど...魔法が使えないと私に捨てられるって思ってるんだ、確かに魔法が使えると見込んだから奴隷なのに丁重にもてなしてると、ユイはそう考えたわけね)
なにそれ
とっても可愛いじゃん♡
私はあえてユイを追い詰めることを言う。
「うん、まぁ、頑張って頂戴」
あえて諦めたような声で喋る。
「もし魔法が使えなかったら、貴方の扱い方、ちょっと考えちゃうかも、場合によってはこの家を出てってもらうこともあるかもしれないわ」
「え...」
「ま、それも魔法が使えたら万事解決だから、頑張って」
「う、うん」
そう言ってライラさんは家の中へと戻っていった。
(正直、さっき魔法を出すコツとか教えてもらったけど、全然掴めてない...)
「...まぁ、私なんてそんなもんだよね」
両腕を手に入れた上に豪華な屋敷で衣食住を提供してもらう、そんな都合のいい話、私みたいな人間には勿体無い。
その後の私は、魔法の練習はせずにこれからのことを考えていた、何故なら使えないことは分かっていたから。この家には残れない、ならせめて奴隷の刻印は消したままにしてもらう交渉をしなければ。
「ユイちゃん、で、魔法使えるようになった?」
(まぁ、上から見てたから使えないの分かってるけど)
「い、いえ、使えないです...」
「ん〜そっか、残念、じゃあユイのことどうしよっかな〜」
「...あ、あの!魔法が使えない身でありながらおこがましいとは思うんですが、一つお願いしてもいいですか?」
「ん?なに?」
「あ、あの、この家は出ていきますから、せめて奴隷の刻印は消したままにしてほしいです...お願い、します」
「あぁ、なるほど...フフッ、じゃあ消したままにしてほしいなら態度で示さないと」
「態度?」
「そう、態度、うーんそうだなぁ...とりあえずこれ着て」
「え?」
そう言って渡されたのはメイド服だった。
「リーア、これの着方教えてあげて」
「かしこまりました」
(な、なんでメイド服?)
数分後私はメイド服を着用が完了した。正直何故メイド服を着るのか理解が出来なくて頭真っ白だった。
「ん〜可愛いね、それじゃ私の言うことをやってみて」
「は、はい!」
「じゃあまずは、スカートめくってみて」
「え?」
「え?じゃねぇだろ、早くして」
「は、はい!」
いつもとは違う口調に怖くなってしまう。
「う、うぅ...」
私は恥ずかしさや惨めさでスカートを掴む手がプルプルと震えてしまっている。
「ほら、早く」
「はい...」
私は顔を真っ赤にして、半分泣きながらスカートをめくった。私のパンツがライラさんに見られてる...恥ずかしい。
「うんうん!可愛いねぇ〜」
その時ライラさんはどこからかカメラを持ってきて、パシャリと私の恥ずかしい瞬間を何枚か撮った。
「や、やだ...撮らないで...」
「あぁ、イイ」
(そんな顔しないでよ、子宮にクルじゃん)
カメラに満足したのか、その後ライラさんはカメラを手放し体全体が映る大きな鏡を持ってきた。そして私の後ろに回り、
「ほら、ユイの恥ずかしい姿が鏡に映っちゃってるよ?ほら、ここらへんだよ?」
そう言ってライラさんは、私の太ももをさすさすしている。私はもうずっと、視線を逸らしている。
「あ、ダメでしょユイちゃん、ちゃんと鏡で自分の姿を見て」
「は、恥ずかしい」
たが、拒否権はない、私は恐る恐る自分の姿を見た。そこにはスカートをめくって下着をさらけ出してる、恥ずかしい女の子がいた。痴女と言われても反論のしようがない。
「ぐすっ、恥ずかしい」
「フフッ、はしたな〜い、でも大丈夫、そんなユイも可愛いよ」
ライラさんはそう言って私の頭をナデナデする。
「うん、やっぱりとっても可愛い、もうスカート下ろしていいよ」
私はスカートを下ろした、その目は涙に濡れていた。
「ぐすっ...」
「...ねぇ、ユイはこれからどうするの?」
「え?えっと、とりあえずなんとか仕事を探そうかなと...そんな上手くいくとは思えないですけど」
「フフッ、ねぇユイ、私がいつ魔法使えなかったら追い出すなんて言った?」
「え?で、でも、奴隷の私を買ったのは私に魔法があると思ったからですよね?」
「違うよ、普通に可愛い妹が欲しかったから買ったんだよ」
ライラさんは食い気味に反論する。そして私を後ろから抱きしめる。
「魔法が使えなくてもいいよ、ユイちゃんはユイちゃんのままでいいから、ね?」
「...」
私の目は潤んでいた、生きていて初めて存在を認めてもらったから、嬉しかった、存在してもいいんだって思った。でも
(私に両腕がなくても、ライラさんは同じように言ってくれるのかな)




