第三話 姉
夜、私は自分の部屋で寝ようと思っていたところ、ライラさんに部屋に来るよう言われた。部屋に着くとベッドの上でライラさんが待っていた。
「ほら!結衣ちゃん!一緒に寝よ?」
「え?い、一緒に?」
「うん!!姉妹なんだから、同じベットで寝るのは当然でしょ?」
「そ、そうなのかな」
「そうだよ!!さ、早く!おいでおいで」
私は招かれるようにベッドに入った。同じシャンプーや洗剤を使ってるのに、ライラさんから凄く良い匂いがする。
(あったかい...)
するとライラさんは、私のことをギュッと力強く抱きしめた。
「ぎゅ〜〜〜...はぁ〜、結衣ちゃんかわいい〜〜」
「お、お姉ちゃん...ちょ、ちょっと苦しい...」
「ん〜、もうちょっと抱きしめさせて」
お姉ちゃんはすんすんと、私の匂いを嗅いでいる。
「お、お姉ちゃん!匂い嗅がないでよ、く、臭くない?」
「全然臭くないよ、むしろ良い匂い!」
そこからライラさんは3分近く匂いを嗅いだ後、抱きしめる力が緩くなった。
「はぁ〜満足した!!結衣ちゃん可愛いね、流石私の妹」
「はぁはぁ、力込めすぎだよ...お姉ちゃん」
「ごめんごめん、でも、これ私がしたくなった時にするから、よろしくね」
「え...」
「返事は?」
「は、はい!!お姉ちゃん...」
ライラさんの笑みが少し怖かった。でも、私は拾ってもらった身、逆らうことはできない。それに姉であるライラさんに逆らわないことを条件に妹になってる。
「おやすみ、ユイ」
「うん、おやすみ、お姉ちゃん」
次の日、私が目を覚ました時私はライラさんの腕の中だった。右腕で私の体を抱き、肩を優しく掴んでいる。
「あぁ、おはようユイ、目が覚めたんだね」
「あっ、おはよう、お、お姉ちゃん」
(まだ、お姉ちゃんって呼ぶのなれないな)
お姉ちゃんは体を起こしてベッドのそばに立つ。
「ごめん、先に顔洗って食堂に行ってて、多分もうすぐ朝ごはんの時間になるから」
「う、うん、お姉ちゃんは?」
「私はお風呂に入ってくる、少し汗かいちゃって、体がベトベトしてるから」
「わ、分かった」
(そんな汗かくほど暑かったかな?)
少し疑問に思いながらも私は食堂に行った。
食堂には既にご飯が並べられていた。朝ごはんからすごい豪華だ。テーブルのそばに一人のメイドが立っていた。黒髪長髪のメイドさん。
「ユイ様、ご飯の用意は既にできています、何かご要望がございましたらこのリーアになんなりとお申し付けくださいませ」
「え、えっと...」
「特に無いようであればそのまま席に座ってお待ちください、もう少しすればおそらくライラお嬢様が来られます」
「は、はい!」
そこから数分後、ライラさんが来た。
「あぁ〜ごめんね、わざわざ私のこと待ってくれてたんだ、先に食べててもよかったのに」
「い、いや...全然大丈夫だよ」
「お嬢様、調味料を用意しておりますが、どれを使いますか?」
「んー、これとこれで、ユイちゃんも使う?」
「い、いえ、私は大丈夫...だよ」
「そっか、じゃ、食べ始めようか」
そして手を合わせ
「いただきます」
「い、いただきます」
食べ始めてから数分後、ライラさんが突然口を開く。
「そういえばさ、ユイちゃんって何歳?」
「えっと、14歳です」
「14歳?案外、歳いってないんだね...ユイちゃん大人っぽいからもっと年齢上かと思ってたよ」
「い、いや、大人っぽいなんてそんな」
少しの静寂の後
「えっと、お姉ちゃんは何歳なの?」
「ん?わたし?んーと私は〜?...秘密♡」
「え?秘密?何で隠すのお姉ちゃん!」
「フフッ、乙女の年齢を簡単に知れると思わないことね」
そう言ってお姉ちゃんはご飯を食べ終わった。
「で、本題なんだけど、ユイちゃん魔法使える?」
「え?いや、つ、使えないです」
(使える人いるの?)
「フフッそっかそっか、でもいずれ使えるようになるよ」
「魔法を?」
「うん!いずれ教えてあげるね?」
「教えてあげるって...お姉ちゃんは使えるの?」
「勿論、使えるよ」
そう言ってライラさんは手に持っていた空のコップをドロドロに溶かした。
「え!?」
「これが私の魔法、物を自在に溶かせることが出来る、まぁ、日常生活じゃあんま使えないけど」
「す、凄い、いずれ私も使えるようになれるの?」
「うん!私とリーアが教えてあげるね、リーアも魔法が使えるし、楽しみだな〜」
ライラさんは私に魔法があると踏んでるらしい、だから私を拾ったのかな
(もし私に魔法がなかったら...捨てられるのかな...)
ご飯を食べ終わった後、私とライラさんは食器を片付け、食堂を後にした。
その後早速、私とライラさんの魔法の特訓が中庭で始まった。私は内心ワクワクしていた、何故なら自分が何か凄い魔法を持っていたらライラさんの役に立てるし、捨てられる心配もなくなる。
「じゃ、ユイちゃん始めるよー」
(よし!!がんばるぞ!)
魔法を撃つコツを教えてもらい、中庭のデカい岩に放つ練習をすることになった。
数十分後
私には魔法がない。




