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幻想奇譚

【プロットタイプ】枯死

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

一応、幻想奇譚に入れて起きます。

瑠衣と趣味嗜好の話。

俺の父は芸術家で取り分け人形や彫刻等の、人を模した物を愛した。母は作家で、夢見る乙女の様な空想的な話から、目を背けたくなる様な生々しい話を書く人だった。だから俺の実家には作品部屋と称される様な、数多の人形が居座る部屋がある。

部屋の内部はゴシックのアンティーク調。壁は殆ど本で埋まっていて、床に置かれた人形の種類は様々だった。マネキンからトルソー、ラブドールから人体模型に至るまで、無造作でありながら統一的に、雁首揃えて並んでいる。その中心にアンティーク調のソファがあり、気に入った本を読み、人形と戯れる事が出来る。

父も、母も、此処でクラシックを流し、本を読むのを好んだ。等身大の人形達を中央のソファに招いては丁重に触れ、時に服を着せ、時に関節を曲げ、その全てを観察していた。

そんな過去があるせいか、今でもそういったゴシックのアンティーク調の物にてんで目がない。人工的に作られた、精巧な物に釘付けになってしまう。


鏡花が本の街に行くと言うので、今日は同行する事にした。何でも栞の入荷がいまでも待ちきれない様で、其れを確認しに行きたいらしい。俺は俺で別の目的があるが、特段それに反抗する様な真似はしないだろう。

鏡花は雑貨屋の内部を数分見ただけで興が削がれた様だった。どうやら目当ての栞はまだ入荷されていなかったらしい。欲しいものは、また来週確認するとの事で、今度は逆に俺の目的に同行する事になった。

赤レンガが何処までも続く一本道を歩いて行くと書店がある。此処は結構マニアックな物を人目に入りやすい場所に置いてくれている。

例えば、世界の美術館や建築物の図録、または耽美で繊細な画集。そういった普段はあまり目に着きにくいものを、発見しやすい場所に置いてくれている。そこで何時もの様に、本棚を見上げ、ある一冊の本を手に取った。

其れは世界の有名なゴシック調の部屋をまとめた画集。何処を開いても、退廃的で、ほの暗く、それ故に美しい。死してもなお残る人間の美しさがそこには込められていた。

思わず息を飲む。惚れ惚れとする程の完成度の高い作品に。

「これ、瑠衣たんが好きそう」

うっとりと画集を眺めていると、隣から声が掛かった。指さされたのはヴェールの掛かったマリア像。隠された表情が見えにくくも、元の造形は損なわれていない。むしろ惹き付けられて離れられなくなる。

「買うの?」

「いや」

持ち帰ったら、枯れてしまうから。眺めるならば此処か実家に限る。

瑠衣の両親、父は芸術家、母は作家です。

だから普通とはちょっと違う場所が存在する。

実家の抱えている人形は大体この部屋にあります。


瑠衣の『人を模した精巧なもの』好きは両親が由来。

『人になろうとしている』という瑠衣なりの考え方故に、かなり好感度が高いんです。

怪奇現象起きたら嬉々として張り付きそうな気がします。でも絶対対等には見なさそう。


それ故に敬意を払っており、一時的に自分が貸し受けることはあっても、この人形達に相応しい場所を構築出来ない場合には、あまり長く置きたがりません。

一部分でも相応しければ(祭壇とかね)置きますが、如何せん等身大故にデカイので。


美術館に行きたいな。

別に美術館じゃなくても良いけど、ゴシック調の綺麗な物だけを並べた部屋を眺めたいな。

じゃないとたまに枯れます。

枯れた産物、成れの果てが皮肉った純文学達。

最近そんなのばっかだなぁ……。


向上心に繋がる欲は何処へでも。美しい物を書くための渇望は何処へでも。

ハングリーアートという言葉を知ったのは、私の好きな作家さんから。

飢えていた方が書けるのは、主人公のパピーと同じですね。

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