第13話 寮生活
小人族って、まさか......。
「あの....もしかして宇宙人ですか?」
真日奈の予想外の言葉に翡翠は思いっきりずっこけた。
「それは初めて言われた....」
《マスター、翡翠様は宇宙人ではありません。れっきとした小人族です》
「そのさ、、小人族?って何??」
《小人族は、西暦3000年に発見された新しい種族です。この時代ではマスターと同じ人間として扱われていて珍しくありません》
「へぇ〜。そうなんだ。私のいる時代じゃ聞いたこともないからびっくりしちゃった」
真日奈は落ち着きを取り戻し、翡翠の方を向き直した。
私の時代じゃまだ見つかってないだけだったんでしょ?それに見た目を言うなんて流行らないし!
「私達、小人族は10歳を過ぎたあたりから体の成長が止まっちゃうの。もちろん個人差があるけどね」
「じゃあ、精神年齢も止まっちゃうの?」
「ううん。歳を重ねていくごとに精神年齢も上がっていくよ。ただ見た目が子供で止まっちゃうだけ」
「そうなんだ」
「あっ!立ち話もなんだし、お部屋に案内するね!」
「ありがとう、ひーちゃん!」
真日奈は翡翠の後ろについていく。長い廊下をまっすぐ進み、1番端っこまで来て止まった。どうやら部屋はここのようだ。
「聞いたかもしれないけどここの女子寮は本来2人部屋なんだ。でも今はとりあえずここの部屋で我慢してね」
「部屋をもらえるだけで十分です!」
翡翠はニコッと笑って、鍵を使いドアを開けた。一緒に部屋に入ると、その部屋はまるでホテルのようだった。テーブルもあるし、ソファーもある。ベッドもついてるし、クローゼットもあるし......ちょっと豪華なホテルのようだった。
「うわぁ〜!すごい綺麗!寮とは思えないよ!!」
「気に入ってくれてよかったわ!ここは長年使われていない部屋なの」
「使われてないって元々なんの部屋だったんですか?」
「ここはゲストルームよ♪でもお客さんが誰も来ないから使わなかったの!」
.....あ、そう言うことですか。
真日奈の目は一瞬点になった。しかしとてもいい部屋だ。真日奈は荷物を部屋に置いていろいろと見てまわった。
「あの、お風呂は共用ですか?」
「ええ、お風呂とご飯は共用なの。トイレはそれぞれあるんだけどね。あ、スケジュール表渡すの忘れてた」
翡翠は「はい」っとスケジュール表を渡してくれた。そこにはご飯の時間、お風呂の時間などが書かれていた。さすがスケジュール表。だがしかし.....。
「朝ごはんが、朝6時からってバグってる??」
朝ごはんの欄に“6時〜7時まで”と書いてあった。元々朝起きるのが苦手な真日奈にとっては7時に起きることが限界。でも書いてある時間は7時まで....。
「.....やば、起きれないかも」
「ここに入寮したばかりの子はみんな同じことを言ってたわ。懐かしい〜」
《大丈夫ですマスター。私が責任を持ってマスターを起こします》
「クロノアが?.........不安しかないけど何もないよりはいっか」
ちょっと拗ねたクロノア。
「そうそう、ちゃんと真日奈ちゃんが正式に時環アカデミーに転入することができたら相部屋になるわ!」
「やった〜!でも入学手続きはしたし、もう入学したんじゃないの?」
「あら?北本さんから聞いてない?時環アカデミーでは転入試験があるの。校長先生の推薦だとしてもみんな受けなきゃいけないものなの」
それは初めて聞いたんですがぁぁ!!??え、入学の手続き終わったのに入学じゃないの!?嘘でしょ!?
「あ、あの!試験内容ってどんなやつですか?」
「それは毎回変わるから教えられないけど、落ちたら入学できないよ?」
「........」
放心状態になった真日奈。
《マスター、私がついているので平気です》
「あ、そっか....、そっか......、そっかぁ?」
とにかく今日はこの部屋でゆっくりと休むことにした。
「何かあったら言ってね!」
翡翠はそう言って部屋を後にした。残ったのは真日奈とクロノア。真日奈は思いっきりベッドにダイブする。
「ふかふかだ....」
《検索中.......発見しました。このベッドには高級なマットレスが使用されています。マスターの時代のお金に変換すると“約5000万円”です》
「ご、5000万!!??」
確かに今までこんなふかふかなベッドは使ったことないけど!それでも5000万!?校長先生どんだけ金持ってるんだ....。
真日奈は仰向けになり、校長先生のことを思い出すが.....。
「.....あの性格で5000万って、闇金かな」
そう思ってしまった。とりあえず、今日はいろいろあってあってありまくった1日だったのでゆっくり休むことにした。シャワーを浴びて、ルームウェアに着替えて、部屋の電気を消してベッドに入る。
明日からは学校の説明で忙しくなりそうだ。今のうちにゆっくり休もう....と思うけど。
「起きてる?クロノア?」
《はいマスター。御用ですか?》
「いや、なんか寂しいなって思っちゃって」
知らない場所、知らない環境、知らない人。そんな場所に1人。不安しかないので話し相手のクロノアに言う。
《“寂しい”はよく分かりませんがマスターの話し相手にはなれます》
「クロノア....。明日も朝早いし、寝るよ。ありがとうクロノア。そしておやすみ」
《ゆっくりお休みくださいマスター》
真日奈はそのまま目を瞑り、眠りについた。明日はどんな1日になるのだろうか。
〈続く〉




