第12話 入学手続き
「ふぅ〜長かった〜」
私はソファーに座り直す。
「お待たせして申し訳ありません」
正しい書類を持って来た北本さん。本来こういう仕事は校長先生がやるらしいが......頼りないからだって。
「こちらの2枚の書類に記入をお願いします」
渡された1枚目の書類には“転入届”と書かれている。私は北本さんから借りたボールペンで自分の名前を書類に書く。
「そういえば今の高校ってどうなるんですか?やっぱり中退.....」
「いえ、高校はそのまま在学で大丈夫です」
「え?え?だって私時環アカデミーに入学するから....」
「高校は大丈夫ですよ。今が西暦3500年だということをお忘れですか?」
「あっ.....」
「真日奈さんのいる時代から結構技術が進んでいるんです。本来の真日奈さんがいる時代にはコピーロボットを送ります。もちろんAIシステムが搭載されているのでロボットだとバレる心配はありません。意外と人間と区別できないんです。まぁこの時代の人ならわかると思いますが。そして何よりその日あった出来事を記録して真日奈さんに記憶を共有することができるんです。これで何があったのかわからないなんてことはありません」
「へぇ〜結構すごい。そのロボットはクロノアとは連携できないの?」
《いえ、マスター。既に連携・バックアップが完了しています》
「嘘.......仕事早すぎなんだけど」
私は自分の名前を書き終え、1枚目の書類を北本さんに渡す。そして2枚目を見る。2枚目は”入寮届“と書かれていた。
「寮?この学校には寮があるんですか?」
「時環アカデミーは全寮制なんです。もちろん男女別ですが、正当な理由がある場合はどちらか選ぶことができます。女子寮は2人部屋です。しかし、真日奈さんの場合は転校生という扱いになりますので1人部屋になると思います。詳しくは寮母さんに聞くのがいいと思います」
「寮母さんがいるんだ〜!なんかお泊まりみたいな感じで楽しみだから誰かと一緒が良かったんだけど仕方ないか!!」
私は自分の名前を書き終える。そして2枚目も北本さんに渡す。
「ありがとうございます。これで手続きは終了です。この後はまず寮へご案内いたします。そこで寮について説明を聞いてください。具体的な学校生活等は後日また改めてお話しさせていただきますね」
「分かりました!あっ....先生でしたっけ?北本先生でいいですか?」
北本さんは「はい!」と言った。机では校長先生がひたすら書類と戦闘中。私達は邪魔にならないうちに部屋を出ようと立ち上がり、ドアの目の前まで歩く。
「それじゃあ、これで失礼します」
「えぇ!!待ってよ誠司〜ちょっとくらい助けてよ.......そうだ!真日奈!!一緒に写真でも撮ろうy_____」
バタンっ!!
北本先生がすぐにドアを閉じた。校長先生が言い終わる前に.....。
「さて、寮へ行きましょう。こちらです」
「あ、はい!」
校長室を出て何事もなかったかのように廊下を歩く。しばらく歩くと学校の外へと出た。大きな門をくぐり、ようやく寮へと辿り着いた。
「ここが女子寮です」
「へぇ〜寮はおしゃれな雰囲気〜」
見た目はモダン風、2階建て。北本先生によると去年改装工事をしたばかりらしい。
「男子寮はこの道をしばらく進んだ先にあります」
寮の前で分かれ道。左に行けば男子寮。真っ直ぐ歩けば女子寮とのこと。
「さっそく入りましょう......と言いたいんですが私は男ですのでご案内できるのはここまでです」
「え!?じゃあどうすればいいの??」
「中に入ると寮母さんがいますので話かけたらすぐ分かってくれると思います」
「分かりました。寮に入ってみます」
北本先生は「明日もよろしくお願いします」と言い、学校の方へ戻っていった。私はその背中を見送った。そしてよしっ!!と気合いを入れ寮へと入る。玄関のドアを開けると目の前には赤い絨毯がひかれている。the高級寮!的な。
「広そうだし、すご」
「あなたが真日奈さんですね?」
「あ、はいそうで.......え?」
声をかけられた方を振り向くと、そこにいたのは10歳くらいの見た目をした女の子。
「私がここの寮母、山本翡翠です。みんなからひーちゃんって呼ばれてるの!よろしくね♪」
「よ、よろしく」
思ってたイメージとは全く真逆だった。寮母さんって言うからおっとりした優しそうなおばさまだと思ったんだけどなぁ....。
「私はこう見えても45歳なの」
「へぇ〜45歳......ん?45歳!?マジで!?」
《検索中.....ヒットしました。この方には小人族の血が流れています》
「小人族だって!!??」
<続く>




