表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

ズデッとコケたその先は異世界でした

できたぁぁぁぁ!!!


 つるんと滑らかな見た目、キラキラと光る

表面、その上にかかる黄金色の蜜、、、

私はきっとこの時を一生忘れないだろう。





◆◆◆



 私、宮川さくら 森?なう……

なうってもう死語では?なんてセルフツッコミをしている場合ではない。


 高校から帰宅し、趣味の和菓子作りのための材料を買い込んだ帰り道、ずべしっところんだ瞬間に顔をあげるとそこは見慣れた近所の道ではなく、やたらとカラフルな森だったのだ。

 周りは青緑の葉をした木やマーブルカラーの草が生えている。

 もはやどういうこっちゃねんである。


 間違いなく日本ではないことはわかるけど

ここがどこかわからない。

とりあえず買い物袋を持って歩き出すことにした。



 歩き疲れて何度目かの休憩を取っていると

わいわいと喋りながらこっちに来る音が聞こえる!

やっと人と会える!


ガサガサッ


 ひょいと顔を出したのはまだ10歳くらいの子供達、ふと顔を見ると頭の上に三角の耳がついている。

「ギョワッ、猫耳がついてる人がいる!?」


「うわぁぁ! 誰だよ、いきなりびっくりさせんなよ。」

「一人で座りこんでなにしてるんだ?」


「知らない間に道に迷ったみたいで…」


「ここで?めちゃくちゃ街の近くじゃないか。

街まで連れてってやるよ!」


 どうやら歩いているうちに街の近くまで来ていたらしい。

 親切な人もいるもんだと思いながら、一人だとたどり着けなさそうなため案内してもらうことにした。


「なんであんなとこで迷ったんだ?姉ちゃん変な格好してるし」


なんとも無礼な子供である…


「目を開けたらいきなり森の中にいて…

ここはどんな街の近くなの?」


「目を開けたらって…

ここは商業都市エルネスタの隣の森だよ。

なんにもしらないんだな。」


いきなり飛ばされたから分かるわけがないじゃない。


「俺ネイアス、姉ちゃんの名前は?」


「私の名前はさくらだよ。」


「サクラ…不思議な名前だな。あっあれが街だよ。門が見えてきた。」


 前を見ると石組みの高い壁が続いていてその一か所に大きな門があった。

 その奥に色とりどりの建物や塔が建っているのが見える。


「門のおっちゃーん、変な人拾った!」


「ちょっと、変な人って言わないでよ。」


「事実だろー。」


 そんなことを言い合いながら門まで歩いていく。中に入ると小さな部屋に通された。

 軽めの鎧のようなものをつけた門番の人が質問してくる。


「お嬢ちゃんの名前は?どこから来たの?」


どうやら私は子供に見られているらしい。

一応17歳なのに!


「宮川さくら17歳です。どこから来たのかは分からなくて…」


 日本ですと言ったところで伝わらないと思い秘密にしておくことにした。


「分からないのか…リオスから攫われてきたのかな…」


 どうやらこの商業都市エルネスタは3つの国に囲まれていて、今まで商業が盛んな場所を巡って争いが起きていたものの決着が付かなかったため独立した都市としてこの街は作られたらしい。


 そのうちの一国リオスは最近治安が悪く森を抜けて移民としてやってくる人や奴隷商に攫われる人がいるらしい。


(私は奴隷商から逃げ出したと思われてるのかな…)


 私はそういった人々を支援するための手続きをしてもらうことにした。




 さくらは門番の人に案内されて街の中の役所のようなところにやってきた。


「ここで移民として住民登録ができるから。これからどうすればいいのかも教えてもらえると思う。」


「ありがとうございます。」


 私は門番の人にお礼を言うとカウンターに向かった。 

受付には担当のお姉さんがいたのだがこの方もきれいな黄緑の髪に角が生えている。

もう一度言おう、角が生えている!

だんだん自分が異世界に来てしまったという実感が湧いてきた。


「すみません、住民登録をお願いします。」


「かしこまりました。こちらの書類に記入をしてください。」


 

 書類に記入をすると書類が輝いて一枚のカードになった。異世界ってすごい。


「このカードはこの街での身分証明書になるので常に携帯していてくださいね。

これからの生活のことはこちらの冊子にまとめてあります。今日から2週間ほどはこちらで過ごしていただくことができますが、その間に仕事や住居を探してください。」


 なんですと!? に、2週間…

その間に仕事と家を見つけるって

厳しすぎない?!


「その期間は延長できませんか?」


「サクラ様が未成年であれば、成人までギルド所属という扱いになったのですが…」


 なんてこった…サバを読んでおけばよかった終わったことは仕方がない。その後もこの街のことについて質問し、これからの身の振り方を考えることにした。


 受付のお姉さんに聞いたところ、この街は商業ギルドの力が強く他の国では商業に関する取りまとめだけをしているが、この街は商業ギルドが街の政治を行っているらしい。

街の中心にギルトの本部があるためそこで就職先も探せるそうだ。


(ひとまず今日は色々ありすぎて疲れたから休んで明日頑張ろう。)

そうして私はギルドから借りた部屋に向かった。


 部屋に着いて私は貰った冊子を取り出した。

そこにはこの街にある職業一覧やルールなどが載っていた。


(ふぅ~ん、私の唯一役立ちそうなお菓子作りができそうなのはあるかな…

明日は飲食系の求人を当たってみるか…

あなたのスキルを活かした就職をってこの世界スキルがあるんだ!

ギルト本部で鑑定できるみたいだし明日いかない…と…)


そんなことを考えているうちに眠ってしまった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ