表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

好きな詩

「最終処理場にようこそ!」

作者: 水梨イツ

   表題作他5篇の詩集




 『最終処理場へ』

 

 狂ったふりで生きていくよ

 「冬の月が綺麗ですね」

 そんなことを口走るよ

 多分僕は高校生

 はみ出した幾つもの感性を

 そこに埋め立てていくよ

 

 悟ったふりで生きていくよ

 「下らない気持ですね」

 そんなことを吐き捨てるよ

 多分僕は早く死ぬ

 またたいた幾つもの素直を

 ここに埋め立てに来たんだよ

 

 


 

 

      *

 

 

 


 

 『一人の夜はどこまでも、』

 

 それから星が降った

 僕は出来る限り沢山の

 それを見届けようと

 一人、冬の夜の中にいる

 「少し、海辺まで歩きましょうか」

 宙を舞う。。

 

 



 

      *

  

 


 


 『棘の橋』

 

 後ろから君に銃撃された

 振り向くと君は少し微笑んで

 私のこと嫌いになった? と訊く

 「嫌いじゃないよ、素敵だよ」

 

 また

 

 後ろから君に銃撃された

 振り向くと君は上目遣いで

 私のこと嫌いになった? と訊く

 「またまだ好きだよ、君のこと」

 

 また

 

 後ろから君に銃撃された

 そして、僕は死んだ

 「私も好きだったよ、君のこと」

 そんな時代の月が綺麗だった

 

 

 


 

      *

 


 


 

 『散文乃至駄文』

 

 僕は見たんだ、確かに幽霊を

 それは動かないんだ

 その場でゆらゆら揺れて

 白いカーテンみたいなんだ

 

 劇的なんだ、僕にはとても

 まさしく刺激的だったんだ

 その靄みたい不思議さに

 変化のときを悟ったんだ

 

 足音がしたんだ、下校中に

 振り向いてみても誰もいない

 でもいつまでも付いてきて

 やっと僕は気づいたんだ

 

 色々なんだ、キミも僕も

 色々は本当に色々だったんだ

 今度インターネットにでも

 息継ぎ、にに行こうかな

 

 

 



      *

 

 

 


 

 『音し物』

 

 歩いていたら

 足元で「ポトン」と音がした

 何か落としたのかな

 そう思って見てみても

 何もなかった

 

 気のせいだと思って

 再び歩き出したけど

 やけにその音が頭に残り

 謎の焦燥が胸をさすった

 

 別段、何でもない日常の中

 

 

 

 


      *

 

 


 

 

 『最終処理場にようこそ!』

 

 もはや、歪んだ語り手は

 イヤホンジャックを覗く

 

「別に、なんでもかんでも死ねとは思っていないよ。愛とか、友情とか好きだよ。それに、そういうものが皆に受けることも知っているよ。でも、僕はもっと腹黒くいたいんだ。最終処理場を汚して誇りたい。いつか誰かを呼べるように、今はただ頑張るよっ!」

 

 もはや、歪んだ語り手が

 歪んだ世界を見れば

 イヤホンプラグのように

 真っ直ぐな

 

「最終処理場にようこそ!」







ありがとうございました。

単体で投稿するに及ばない(感性)を処理しました。平塚サラが連載している詩集が今日、総集でしたので臨時で仕上げました。といっても、今まで書いて投稿してない詩を適当に選んで、少ししてたたいただけなんですけどね。とにかく、最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。よければ、ご感想、評価を頂ければ幸いです。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 再度登場ですみません。今はしらふです。 『最終処理場へ』 はっΣ(*´∀`*) 生き方だったのですね、矛盾してません。 「生きつづけるよ」的に脳みそが勝手に解釈していたようです。 『音し…
[良い点] 拝読しました。 『音し物』が好きです。視覚と聴覚が刺激されますね。面白い感覚に陥ります。幻想というか。ショートフィルムとかにできそうですね。ヨルシカとかの曲が合いそう。 最終処理場という…
[良い点] 『音し物』はタイトルが特徴的ですが、誰しも経験したことがあるような感じで理解しやすかったです。 ホラーちっくなので、もう少し長い詩だったらもっと怖い内容になったと思います。(それが目的じゃ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ