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良い案

「あ、ごめんねカヤ。急に怒鳴って」


「いえ、クレスさんとアルバさん、なんか気兼ねがない感じでいいなって思いました」


「あいつとは長い付き合いだしね。ちなみに同居してる相手ってあいつのことだから」


「なんと!」


 私が入る前にはなれを使ってた、お片付けができない人か!


 色々とアルバさんから話は聞いてたけど、あいつとかこいつとかって名称を使ってたから名前知らなかったんだよね。


まさかこんなところで顔を見ることになるとは。


「それにしても、クレスさんイケメンだったな」


 肩にかかる位の艶のある黒い髪。キリッとした蒼い瞳。真珠みたいに白い肌。筋の通った鼻筋。


 水に映ってたせいか多少ぼやけてたけど、これだけの要素が分かれば相手はかなりの美形と思って間違えないだろう。


 それにしても、この世界はイケメンが多いね。日本だったら美形軍団作れるよ。美形軍団。


「まぁ、あいつは顔は整ってるね。顔は、ね」


「ぷっ」


 頬を膨らましてそっぽを向きながらそう言うアルバさんに、思わず私は噴き出した。


 子供が拗ねてるみたいで、なんか可愛い。


「さて、どうするかな。このままじゃあいつ、王都から出られなくなっちゃうからね」


「え? なんでですか?」


 なんか関門でもあるのかな? だとしたらあるのは、入口な気がするけど。



 アルバさんはうなりながらも、とんでもない事実を教えてくれた。


「王都は、よっぽどの危険人物じゃなければ入るのは自由なんだ。けど、王都からは持ち出してはいけないものが何種類かあってね……。出口だけは身分を証明ができるなにかがないと出れないんだ」


「なんと面倒い 」


「俺もそう思う」


 まぁ、危険人物を外に出さないようにするっていう意味ではいいとは思うんだけど、それなら最初から入れるなというのが正直な感想かな。


 王都ってほら王様とかもいるし、危険分子を事前に排除するのは当たり前ではって思ってしまう。


「まぁ、そういう制度にしたのは現王様なんだけどね。どうやら血の気の多い方らしくて『国全体に仇なすくらいなら、国の要である俺一人を狙ってかかってこいやー!』みたいな事をやっているらしいよ。ちなみに違反者は強制的に現王様の筋トレに付き合わされるらしいんだけど……これが罰と言っても過言ではないほどハードらしい」


「なんと!」


 無茶苦茶体張ってるじゃん王様!


 けど、罰に認定されるほどの筋トレってどうよ。


「そんなこんなだから、どうやってもライセンスを届けないとね」


「そうですね……」


 筋トレは……まぁ冒険者だから大丈夫だとは思うけど、問題はクエストを受けられないってところだろうな。


きっとクレスさんは、一秒でも早くライセンスが欲しいはずだ。


「速い、速い……あ」


 ぽんと手を叩く。


 あった。一ついい方法が!


「私とオパールが王都までライセンスを運びますよ!」


「えぇ!?」


「いいアイディアですよね!」


 オパールなら空を飛んで王都に向かうことが出来る。地上みたいに障害物もないし、絶対に速い。


 何度がオパールには乗ってるし、きっと大丈夫大丈夫。


「竜族に乗って配達なんて聞いたことがないよ」


「なら私がその最初になりますよ!」


「……やめた方が良いと思うよ」


 何故だ!?


「絶対に速いですって!」


「それは分かるけど……。カヤ、俺が言った事覚えてる?」


「竜族が姿現すと討伐対象になっちゃうってやつですよね」


 ふっふっふ。そこもきちんと考えているぜ!


「実はオパールって、本来の姿の時だけ視界阻害魔法使えるんですよ。だから、その状態で王都近くのバレにくい所に降りてもらえばオールオッケイ!」


 見て見て~! って感じでオパールに見せられた時は突然消えたから驚いたんだよね。


 ちなみに、魔法をかける直前まで触れていたものも見えなくなるのは証明済みだぜ!


「と言ってもな……」


 何故か盛大に渋るアルバさん。


 そんなに危ないかな。姿は見えなくするし、バレてもオパールは可愛いし、もふもふだし、いい子だし……。


 よくわからん!



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