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ドラゴンくんの名前

「ダリアいきなり駆け出してどうし――。これは……すごいね」


 ダリアよりも後から来たアルバさんは、目の前で繰り広げられている光景に目を見開きぽかんとしていた。


 そんなに凄いのだろうか? 私には恐怖のかごめかごめにしか感じないんだけど。


「もしかして……アルバさんこの儀式の意味知ってるんですか?」


「知ってるよ。けど、見るのは初めて」


「おお!」


 まさかのアルバさんが初見の儀式とは。これは恐怖を感じてる場合じゃないぞ!


「ちなみになんの儀式なんですか!」


「ヒツジウシたちの感謝の舞だよ」


「感謝の舞?」


「本当に懐いた人にしかやらないっていうとても珍しい舞なんだ! すごい。俺興奮してきた‼」


「なんと!」


 目をキラキラさせて言うアルバさんに、私は驚くと同時にじんわりと暖かいものが体の奥底から湧き上がってくるのを感じた。


 まさかそこまですごい儀式……いや、舞だったとは。


「そう思うと嬉しいな」


『うれしいな~』


『うれしいな~』


 舞を終えておしくらまんじゅうのようになってる皆を抱きしめる。本当にどの子も可愛いくてしょうがない。


「やっぱり従族やモンスターの声が分かるのが大きいのかな?」


「他の人には分からないですよね」


「俺が知ってる限り、そんな能力を持ってる人間族は初めてだよ」


「そう考えると、やっぱり能力の影響の可能性が高いんですかね……」


 言いながら、私はこの前の神秘の泉ツアーを思い出していた。


 エイセルさんに別れを告げて、神秘の泉からドラゴンくんに乗って家に戻った私を待っていたのは、ドラゴンくんを見て腰を抜かしたアルバさんだった。


 それは散々森に入る前に竜族は危ないって教えてくれた張本人だもんね。私がアルバさんの立場だったとしても同じ反応をするだろうな。


「ど、どういうことこれ……?」


「実は――」


 訳を話すと、若干疑いながらも信じてくれた。


「けど、普段は隠れてもらわないと確実に捕まっちゃうよ」


「なんと!」


「竜族は神族の使者として崇められてはいるけど、実際村とかに現れた時は厄災認定されて冒険者の討伐対象になる時もあるから。今は暗いし、ここは村はずれだからバレてないけど、もしも他の人に見られたと思うと……ぞっとするね」


「マジですか……」


こんな可愛い子くてなにも悪い事をしてない子が討伐対象になるなんて許せない!


といっても、どうしたらいいものか……。


「ドラゴンくん、どうにかできない?」


 って、聞いた結果。


「ぎゃう!」


――ポン!


「おお!」


 なんと肩乗りサイズになってくれた。さすが神族と使者と言われてるだけある。


 それ以降、ドラゴン君にはなるべくエコサイズでいてもらうようにお願いしている。


 ちなみに今は一緒に遊んでたヒツジウシも私の方に来ちゃったせいか、困惑した表情で私の周りをぱたぱた飛んでいたりする。


 その姿がまた可愛くてしょうがないんだよね!


 あと、ドラゴン君の名前決めたんだ!


 オパール! 最初見た時にオパールみたいだなって思ったし、幸運を呼ぶ石って言われてるからね。


 ぴったりでしょ!


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