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施設の内部へ
《サイド:深海優奈》
「走れ!そしてこの戦争を終わらせろ!立ち止まっている暇はない!愛里や翔子の想いを無駄にするな!これ以上、仲間を失わない為に!そして大切な者を守る為に走り続けろ!!」
………。
総魔さんの指示を受けても、
私はすぐには動けませんでした。
ですが…。
「…はいっ!!」
亡くなってしまった琴平愛里さんや翔子先輩のために。
兵器の破壊を願う総魔さんの想いを受けた栗原さんは覚悟を決めたようでした。
「深海さん、行きましょう!」
私の手をとって施設の内部へと駆け出す栗原さんですが、
私は総魔さんの姿が見えなくなるまでずっと後ろ姿を見つめ続けていました。
どうしても気になってしまうからです。
「…総魔さん…」
再び離ればなれになってしまうことが、すごく寂しく思えました。
…総魔さん。
必ずまた逢えますよね?
私は信じています。
だから…
「だから総魔さんまでいなくならないでください。」
今はただ願うことしかできませんが。
それでも私は総魔さんの無事を祈りながら、
栗原さんと共に施設の内部へと潜入することになりました。




