解決への糸口
《サイド:米倉美由紀》
「ありがとう、栗原君。」
栗原君のおかげで大体の流れは理解出来たわ。
一通りの説明を受けたことで、
まずは栗原君の話の内容を頭の中で整理してみる。
何よりも重要なのは王都の兵器は失われて王族は滅亡したという部分よね。
王都は壊滅したらしいし、
砦の制圧も時間の問題のはずなのよ。
つまりアストリアの指導者と拠点は崩壊したと言っても良い状況になるわ。
あとはもう一つの兵器さえ破壊出来れば、戦争が止まる可能性が高いということよ。
素直にそう思えたわ。
「ようやく解決への糸口が見えてきたわね」
アストリアとの戦争に意識が向いていたせいで、
他国の軍がどうしているのかまでは分からないけれど。
『アストリア』との戦争は終戦への兆しが見えた気がしたわ。
もちろんアストリア軍は大部分が残っているでしょうけど。
兵器さえ破壊できれば敵の士気は大幅に低下するはずなのよ。
軍隊だけで共和国を攻め落とすのは難しいでしょうしね。
力押しでは勝てないって思うからこそアストリアは兵器を用意したはずだから、
最も危険な兵器さえ破壊出来れば戦争が終わる可能性は非常に高いわ。
…だとすれば。
終戦を見越して今後の方針を考えるべきよね。
「兵器が発動する前に防いで見せるわよ!」
決意を言葉にする私の言葉を聞いて、
栗原君が大きく頷いてくれてた。
「多くの仲間達の為に。そして、失われた命の為に。この戦争を止めましょう」
ええ、そうね。
仲間を失ってもまだ戦う意志を見せてくれる栗原君は私の考えに賛同してくれたのよ。




