5人中2人
《サイド:栗原徹》
「…と、いうことになります」
これまでの行動に関して米倉代表への報告を終えました。
マールグリナを出発してからここにたどり着くまでの間にあったことの説明です。
砦への潜入からノーストリアムまでの出来事は
情報を託した国光からの報告によってすでに知っていたらしいのですが、
それ以降の報告は初耳だったようですね。
真剣な表情で僕の話に耳を傾けてくれていました。
一応、主な報告の内容は王都での出来事なのですが。
王都への侵入から始まる内部の諜報活動。
そして軍の動きを調べて研究所を探し出したこと。
さらには問題の研究所を強襲して朱鷺田さんと三倉さんは自爆。
戦闘後に愛里ちゃんは僕を守って命を落としました。
3人の尊い犠牲によって王都の兵器は失われたのです。
…ですが。
王城へと突撃した僕達は隠された真実を知りました。
それはもう一つの戦略兵器の存在です。
第2の兵器の存在を知った天城さんは単独で調査を始めました。
そして僕は報告の為に共和国軍へと接触しました。
それが報告の内容になります。
「とんでもない戦いね」
ええ、確かにそうですね。
砦での戦いや今この場所での戦闘も十分に激戦といえますが、
僕達の戦いはそれ以上の危険を伴っていたと思います。
僅か5人での作戦だったのです。
その中で2人も生き残ったことが『奇跡』だったのではないでしょうか。




