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THE WORLD  作者: SEASONS
4月18日
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資料の捜索

《サイド:天城総魔》


治之を始末したあとで、

国王の真田幸長の私室へとたどり着いた。


「手がかりを探すぞ」


徹と二人で手分けをして手掛かりを探してみる。


「僕はこちらの部屋を調べますね」


徹は隣室の書斎しょさいから探索を始めるようだ。


その間に俺は妃の遺体が転がる広間を調べることにした。


机の引き出しから本棚。


衣装棚から装飾品の保管庫まで。


あらゆる可能性を考慮して探索してみる。


そして気になる書類があれば目を通し。


あらゆる報告書を調べ上げる。


それらの作業を開始してから数分の時間が経過しただろうか。


不意に徹の声が聞こえてきた。


「ありました!!天城さん!この書類です!!」


駆け寄って来た徹から書類を受けとって書類の文章に視線を向けてみる。


『実験施設に関する報告書』と書かれた文面には本当の兵器の在りかが記されているようだ。


「どうやらこの王都より南西の山岳地帯のようです。距離的には王都からよりも国境からの方が近いかもしれませんね」


ああ、そうだな。


徹の言葉を聞いておおよその距離を試算してみる。


アストリア国内の地理はそれなりに把握しているからな。


推測は比較的簡単だ。


方角的にはノーストリアムからまっすぐ西に向かった辺りだろうか?


「正確な位置は書かれていないが、山岳地帯となれば今から急いでも数時間はかかるだろうな」


「急ぎましょう!遅れれば遅れるほど共和国が狙われる可能性があります!」


焦る徹が移動を急ごうとしているが、

その前に書類を差し出すことにした。


「移動の前に一つ頼みがある」


「え?あ、はい。何でしょうか?」


突然の頼みに戸惑う徹に内容を告げてみる。


「この書類を持って砦に向かってほしい」


「えっ?」


指示の意図が理解出来なかったようだな。


もう少し説明したほうがいいだろう。


徹に詳細を伝えることにした。


「俺は先行して兵器の捜索を行う。その間に徹は進軍中の共和国軍と合流して山岳地帯へと誘導してほしい。もはや王都への進軍は無意味で時間の無駄でしかないからな。徹は共和国軍と合流して兵器の破壊に協力してくれるように伝えてくれないか?」


距離を考えれば王都から向かうよりも、砦から向かった方が近いからだ。


共和国軍が王都まで来てしまえば、

山岳地帯に向かうのが遅くなってしまうだろう。


その時間を節約するためには誰かが情報を伝えに向かわなければならない。


そう考えて、共和国軍の誘導を徹に任せることにした。


広大な山岳地帯を二人で探すのは難しいが、

共和国軍の協力があれば時間を短縮出来るはずだからな。


「砦に向かうまでにアストリア軍と遭遇する可能性もあるだろう。危険な作戦だが、残された時間は限られている。二手に別れて行動したほうが効率がいいはずだ」


「確かにそうですね。」


俺の意見を聞いてくれた徹はしっかりと頷いてくれた。


「分かりました。無事に役目を果たせるかどうか分かりませんが。全力で頑張ります!」


「ああ、頼む」


覚悟を決めた徹と再び握手を交わす。


「これが最期になるかもしれないが…。もう一度会えることを信じよう」


「ええ。僕もそう願います」


固く握手を交わす二人。


互いの友情を確かめ合ってから俺達は並んで駆け出した。


「王城を抜けて王都を離脱するぞ」


「はい!!」


新たな情報を手にしたことで、

王城からの撤退戦が始まった。


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