表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE WORLD  作者: SEASONS
4月17日
794/4820

共和国を守る盾

《サイド:岸本克也》


「…全員の魔力が尽きたか…」


最後の抵抗を試みたことで、

仲間達は魔力を失ってしまったようだ。


もはや意識を保っている者のほうが少数だろう。


誰もが大地に膝をついてうずくまってしまっている。


ここが限界だ。


今となってはもう歩くことさえままならない。


そしてそれは私も同様だ。


魔力が底を尽いてしまって意識も薄れようとしていた。


だが…。


このまま諦めてしまうようでは司令官としての名がすたる。


仮にも国境警備隊の司令官として戦場にいるのだ。


たとえ戦えないとしても、

最後まで果敢に立ち向かう覚悟だけは見せ続けなければならない。


それが私が私であるということなのだ。


「この命がある限り!この先へは一歩も通さん!!!」


最後まで意地を張り通してみせる!


「私の名は岸本克也きしもとかつや!アストリアの進軍を防ぎ!共和国を守る盾だ!!例えこの身が朽ち果てようとも、決して共和国に手出しはさせんっ!!!」


この身を盾として仲間を守ってみせる!!


その誓いを宣言した直後に…


『ドスッ!!!』と、一本の矢が俺の胸に突き刺さった。


「ぐ…ぅっ!?」


続々と放たれる矢が次々と突き刺さる。


「がっ…あ、あっ…!!」


口から血が溢れ出す。


どうやら内蔵がやられてしまったようだ。


だが、この程度で倒れるつもりなどはない!!


「守ると、誓ったのだっ!」


木村副隊長が戦線を離脱するまで決して死にはしない!


「私は、国境を守護する者だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


『ドスドスドスッ!!!!』


「が、は、っ!?」


次々と放たれる鉄の矢が俺の体を突き抜けていく。


射抜かれた体から流れ出す血が大地を染める。


だがそれは周囲の仲間達も同様だろう。


果敢に戦った仲間達も、鉄の矢という冷たい雨を受けて次々と人生を終えてしまう。


そして…。


「ぐ、ぅっ!!」


一本の矢が、俺の心臓を貫いた。


「がはっ!?」


く、鞍馬様…!


米倉様…っ!


すみません…。


私は…ここまで、です…っ。


「それでも…っ」


残された気力を振り絞って、最後まで使命を全うしようと思う。


「…共和国に…勝利を…!!」


それが最後の言葉だっただろう。


数え切れないほどの矢を受けた私は…


ついに意識を手放して崩れ落ちてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ