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THE WORLD  作者: SEASONS
4月4日
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待機

そして。


受付にたどり着いてすぐに北条が話しかけてくる。


「さて、と。ここからが問題だがどうする?」


これからどうするか?


北条の質問は単純なものだ。


ただ単にこちらの予定を聞いているわけではないのは間違いない。


そうではなく、もっと考えるべき問題があるからだ。


…現状…。


俺を上回る生徒が会場にはいないということだ。


唯一、格上の存在として北条がいるものの。


今はまだ北条と戦うつもりがない。


勝てないとは言わないが、

自信をもって勝てるとも言えないからな。


そんなあいまいな見通しで戦うべき相手ではないと思う。


ギリギリでも何でも勝てればいいが。


もしも敗北してしまった場合。


これまで蓄積してきた魔力を失うだけではなく、

再び魔力を集めるのにそれ相応の時間を取られてしまうだろうからな。


魔力の無駄は出来ない。


となれば、現時点で出来る事は限られている。


北条以外の生徒が訪れるのを待つしかないということだ。


「しばらく様子を見る。2時間ほど待っても無駄なら、その後の事はそれから考える」


ひとまず行動は保留にすると判断してから休憩所に腰を下ろすと、

何故かそのすぐ隣に北条も座った。


「まあ、なんだ。ここまできちまったから、もう少しつきあってやるよ」


お互いにこれ以上関わる意味はないものの。


それでも北条はそれが当たり前であるかのようにごく自然に隣に居続けている。


結局、立ち去るという選択肢はないようだ。


いまさら文句を言うつもりもないので好きにすればいいとは思うものの。


ただ傍にいるだけの北条は自分から話しかけてくることがないので

こちらとしてもそれほど気にしなくて済むのはありがたいと思う。


翔子なら時間のある限り、話し続けてくるからな。


そんな日常がすでにないことも再確認しつつ、

ただじっと過ぎ去る時間を眺めていく。


時折現れる生徒達もいるが北条は何も言わない。


おそらくは格下の生徒なのだろう。


一々確認するのも面倒なので大人しく待ち続けることにする。


たまには何もしないというのもいい。


そんなふうに思いながらただただ待ち続けていると、

試合場から5人の生徒達を医務室へと運ぶ救急班が視線の先を走り去って行く姿が見えた。


「まあ、あれだな。見た目はともかくとしてかなりの重傷だな」


運ばれていく生徒達を眺めながら北条が呟く。


おそらく、桃花の心配をしているのだろう。


そしてもう一人。


ここにはいない少女のことも考えているはずだ。


今は特にすることもないので、

北条に視線を向けて尋ねてみることにした。


「心配なのか?」


短い質問だが、もちろんそれは今運ばれていった生徒達の事ではない。


今朝、医務室に運び込まれた翔子の事だ。


「まあ、気にはなるが。心配してどうこうなるもんじゃねえしな」


真剣な眼差しで答える北条を見て、口を閉ざす。


謝る事ではないが下手な言い訳もしない方がいいと思うからな。


北条も無理に追求する気はないらしい。


こちらが何も言わないことで、それ以上の話を続ける事はなかった。





…そしてその後…。




北条と言葉を交わす事もないまま、

他の生徒達が来るのをじっと待ち続けることになった。


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