寮へ
《サイド:御堂龍馬》
ん?
あれ?
不意に医務室のベッドで目を覚ました。
どうやら少しの間、眠っていたようだね。
「いつの間にか眠っていたのか…」
自分でも眠りについた覚えはなかったんだ。
ベッドに横になったところまでは覚えてるんだけど。
色々と考え事をしている間に眠りへと落ちていたようだ。
時計を見てみるとすでに午後8時25分になっている。
周囲を確認してみると、すでに翔子達はいないようだった。
無事に帰れたのかな?
みんなよりも遅く目覚めた僕は、
周囲に誰もいないことを確認してからベッドを離れることにした。
「ありがとうございました。気分も良くなったので、これで失礼します」
出来るだけ丁寧に挨拶をしておくと、
校医と鈴置さんが笑顔を返してくれた。
「お大事に」
「次はちゃんとみんな揃ってから、来てくださいね~」
「あ、あははは…。」
さりげなく嫌みを効かせた言葉に苦笑しながら医務室を出る。
そして歩みを進めていく。
「これからどうしようかな?」
すでに時刻は夜だ。
出来ることは限られている。
特風会へ行くかどうか迷ったけれど。
悩んだことであることを思い付いた。
「無断で申し訳ない気はするけどね」
小さくつぶやきながら校舎を離れた僕は、ひとまず寮に向かうことにした。




