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THE WORLD  作者: SEASONS
4月4日
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何も知らない

《サイド:北条真哉》


試合場Bー1についた。


これからここで試合が始まるわけだが、

5人の生徒達は俺と共に試合場に向かう総魔の姿を驚きながら眺めていたようだな。


この学園で最強の座を争う俺がこの会場にいること自体がすでに驚きに価する出来事なのかもしれねえが、

それ以上に驚くべき事は全く無名の生徒が姿を現した事だろう。


当初、俺達の姿を目にしたあいつらは無謀な挑戦者が俺に戦いを挑んだのだと勘違いしていたように思える。


そして同時に勝てるわけがないとも思っただろうな。


…だが。


その考えがすぐに間違いである事を知らされることになる。


係員からの通達によって、

あいつらは自分達が無名の生徒の『対戦相手』である事を知ったはずだ。


まあ、驚き以上に怒りさえ感じていたやつもいただろう。


はっきりと口に出すことはしなかったが、

あいつらは不満をあらわにした表情で俺達の待つ試合場へと歩みを進めてくる。


その理由は、今更考えるまでもねえな。


今まで有り得なかった試合が組まれたからだ。


『5対1で行われる試合』


その無茶な試合に関して、あいつらは不満を感じているようだ。


だがそれでも。


俺の手前という事もあって表立って文句を言ってくる生徒はいなかった。


だれもが俺を恐れているからな。


自分で言うのもどうかと思うが。


学園1位のあいつとの対戦を除いて俺が学園内で敗北した経験は一度もない。


つまり。


ここにいるやつらは俺に勝った経験どころか、

まともに勝負を挑んだことさえないやつらってことだ。


そんなやつらが俺に逆らうことなんてできるわけもねえ。


そして堂々と不満を言うこともできねえだろうな。


だがそれでも。


不満がある事はあいつらの表情を見ればひと目で分かる。


仮にも学園の上位100人に君臨する生徒を5人同時に相手にしようとしてるんだ。


学園最上位というあいつらの自信を考えれば不満が出るのも仕方がねえだろう。


でもな。


それはあいつらが何も知らねえからだ。


総魔の『実力』と前回の会場での『圧勝』をあいつらは何も知らねえんだ。


そんなやつらに状況を理解しろっていう方が無理だろ。


だから知らないことは仕方がねえ。


そして知らないからこそ単純に考えるのも仕方がねえ。


1対1でも勝てる自信があるのに5対1では勝負にならないと考えるだろうな。


その考えは係員や審判員達も同じだろう。


この試合は単なる無謀でしかないと思っているはずだ。


だからやるだけ無駄で時間の無駄だと思ってるはずだ。


ただ一人。


俺を除く誰もが総魔の敗北を予想してるようだからな。


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