準優勝
「続きまして!!準優勝であるグランバニア魔導学園の表彰を行います。皆様、盛大な拍手をお願い致します!!!」
係員の指示をきっかけとして再び沸き起こる拍手の嵐。
多くの人々の称賛の声が飛び交う中で、澤木君の前へと歩み進めたわ。
「おめでとう。結果には後一歩、及ばなかったけれど。今回も良い試合だったと思うわ。だからこれからも諦めることなく、多くの人々に勇気を与えられるように努力を続けてね」
健闘を讃えながら差し出す表彰状。
澤木君も頭を下げながら笑顔で表彰状を受けとってくれたわ。
「ありがとうございます!次こそはジェノスに打ち勝って年間制覇を食い止めて見せます!!」
高らかに宣言する澤木君も大塚君と同様ね。
敗北に屈することなく、
前を向いて歩き続ける意志を示してくれたのよ。
何度敗北してもそこで諦めずに立ち向かう勇気を示した二人。
そんな二人を見れたことで、自然な笑みを浮かべてしまったわ。
澤木君も守りたいと思えたからよ。
魔術師という存在。
その意味に思い悩むことが馬鹿馬鹿しくなるくらい。
彼等は目標に向かって真っ直ぐに一歩一歩を確実に歩んでいるの。
そんな純粋な志を持つ生徒達が見れたことで、心から守りたいと思えたのよ。
「ふふっ。頑張ってね。いつかきっと、願いは叶うわ」
沢木君にも思いを込めてから、再び後方へと下がったわ。




