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THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
615/4820

あれはあれ、これはこれ

《サイド:美袋翔子》


…で、午後7時を過ぎたころ。


夕食が部屋に運ばれてきて、

テーブルの準備が整ってからようやく龍馬と真哉が帰ってきたわ。


「みんな、ただいま」


「うおー!腹減ったー!!」


笑顔で帰って来た二人を出迎えてからそれぞれの席につく。


総魔、龍馬、真哉。


沙織、優奈ちゃん、私の順番ね。


個人的には総魔の正面がいいんだけど。


真哉の馬鹿をほうっておくと優奈ちゃんの分の料理まで食べかねないから、

壁役というか真哉を牽制するために食欲馬鹿の正面を陣取っているのよ。


ホントに、色々な意味で迷惑なやつよね。


私の恋路を邪魔するんじゃないっての。


でもまあ、学園に帰ればまた総魔と過ごせるんだし。


イライラするほどのことじゃないけどね。


とりあえず全員が席につくころにはすでに7時を20分ほど経過していたわ。


つまりね。


若干、料理が冷め始めてるってことよ。


「結局、遅れてきたじゃない」


追求してみると、真哉は面倒臭そうな表情で答えたわ。


「丁度良い時間じゃねえか」


どこが、どう、丁度良いの?


別に不満はないけど、遅れたことは事実よね?


なんで、謝ろうとか思わないの?


反省する様子のない真哉を見て色々と考えてたら、代わりに龍馬が謝りだしたわ。


「遅くなってごめん」


「え?ああ、いいの、いいの。龍馬は全然問題ないから」


笑顔で許す私を見て、真哉は不満そうな表情を浮かべてる。


「なんで同じ時間に戻ってきた龍馬は良くて、俺には文句が言えるんだ?」


「真哉には、ちゃんと忠告したでしょ?」


「あれはあれ、これはこれだろ」


はあ?


意味不明ね。


というか、真哉の存在自体が意味不明なのよ。


試合で活躍するわけでもないのに、

ひたすら強欲に食べ続けるだけの食欲馬鹿。


なんで真哉がここにいるのか分からないわね。


だから真哉の謎の発言は放置して、

料理と向かい合うことにしたわ。


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