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THE WORLD  作者: SEASONS
4月4日
61/4820

心の痛み

《サイド:美袋翔子》


(こ、れ…が…っ?)


意識を失う寸前に、

私は少しだけ後悔してしまったわ。


…って、言ってもね。


予想を上回る破壊力に、

とかそういうことじゃないわよ。


それは身体的な苦痛じゃなくて、

その内側の問題だったと思う。


たぶん。


魔力を斬られるという異質な感覚のせいでしょうね。


上手く言葉にできないけれど。


ひどく心が…痛かったの。


辛いとか苦しいとかそういうことじゃなくてね。


ただただ心が痛かったのよ。


そんなの感じられるわけがないのに。


心に痛覚なんてないのに。


それなのに。


心が壊れるような感覚を確かに感じてしまっていたの。


きっとこれが魔剣の力の副作用なんだと思うわ。


でも、ね。


物理的には斬らないって言った総魔の言葉は正しかったみたい。


左腕自体は無事なのよ。


傷一つついていないのは、

ちゃんと見ていたから知ってるわ。


だけど、それだけよ。


あまりにも一瞬の出来事だったから、

それ以上のことを判断する余裕はなかったけどね。


だから魔剣の本当の力を知る事が出来ないまま、

地面に倒れ込んでしまったことだけははっきりと覚えてる。


そしてそれが、この時の私の最後の記憶。


そこで私の意識は途絶えてしまったからよ。


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