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THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
559/4820

見た目だけ?

《サイド:御堂龍馬》


ついに翔子の試合が始まるようだね。


「試合、始めっ!!!」


審判員の合図によって、

試合開始直後に翔子がルーンを発動させたんだ。


光り輝く扇。


名前はグロリアスクイーンだったかな?


栄光、あるいは光り輝くという意味を込めたその名前の通り。


翔子の手に現れたルーンは不思議な光りに煌めいていて、

見る者全ての視線を釘付けにする程の美しさを持っているように思える。


「へえ。以前とはルーンが変わっているようだね。だけど見た目を変えた程度で強くなるわけじゃないだろう?」


ん?


見た目だけ?


新城君は見た目が変わっただけだと判断したようだ。


まあ、その気持ちは分からなくもないかな。


普通に考えればそうそう有り得ることではないからね。


第2のルーンに覚醒する人なんてほとんどいないんだ。


だから見た目だけだと思っても仕方がないとは思う。


だけどね。


変わったのは『見た目』だけじゃないよ。


翔子の変化はその程度じゃないんだ。


それなのに。


そのことに彼はまだ気付いていないらしい。


あ、いや、でも、気づく方が珍しいのかな?


僕だって自分の目で確認していなければ翔子の変化に自力では気付けなかっただろうからね。


新城君を責めることはできないと思う。


「まあ、どう思われてもいいわ。とりあえず、どこまで耐え切れるのか見せてもらうだけよ」


翔子は新城君の発言を気にせずに、

独自の魔術を発動させていた。


「ダイアモンド・ダスト!!」


『ビュウッ…』と、冷気の風が吹く。


翔子の扇の先端から冷気の核が放たれたんだ。


そして冷気が新城君に取り付いた瞬間に、

一瞬にして新城君の体が凍りついてしまう。


「な…っ!?」


体の半身を氷付けにされたことで身動きが取れなくなったようだね。


その様子を見ていた翔子は楽しそうに微笑んでいる。


「あらら。もう終わりっぽいわね~」


新城君を見下しながら、翔子は次の魔術を発動させていた。


「トールハンマー!!!」


強力な電撃がルーンから放たれて、新城君へと襲い掛かる。


「な、ぁ、っ!!!ぐあああああああああああああっ!!!!!」


雷撃を浴びた瞬間に。


新城君は凍りついた体で倒れることさえ出来ないまま重力に圧迫されて意識を失ってしまったようだ。


戦いらしい戦いに発展しないまま、

一方的に翔子の攻撃を受けて気絶してしまったんだ。


「うわっ。弱っ」


思わず呟く翔子の気持ちは分からなくもないけど、

あまり本人の前で言うべき言葉ではないと思うよ。


まあ、新城君は意識を失ってるから聞こえてないだろうけどね。


それでも周囲の印象は良くないと思う。


試合場から離れてる僕に聞こえたくらいだから相手の学園にも聞こえてるだろうからね。


たぶん睨まれてるんじゃないかな?


まあ、翔子は気にしないだろうけど。


ひとまず試合そのものは開始から僅か数秒にして、翔子の勝利が確定していた。


「勝者!ジェノス魔導学園っ!」


「当然ね!」


試合終了と共に試合場を離れる翔子。


その背後にいるエスティア魔術学園の生徒達は、

誰もが驚愕の表情を浮かべているようだった。


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