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THE WORLD  作者: SEASONS
4月14日
545/4820

中央の試合場

《サイド:深海優奈》


はう~。


北条先輩の食欲は何度見ても驚かされますが、

朝食を終えてから食器の後片付けも終えて、

全員の準備が整う頃にはすでに7時50分になっていました。


「少し急いだ方が良いかもしれないわね」


沙織先輩の意見に翔子先輩と御堂先輩が頷いています。


ですが北条先輩はお腹一杯になるまで食事を続けて、

用意された全ての朝食を食べ終えたことで満足しているようでした。


「仕方がねえな。そろそろ行くか!」


満足そうな表情で部屋を出る北条先輩の後に続いて、

御堂先輩、沙織先輩、翔子先輩が部屋を出ます。


そのあとを追い掛ける私のあとに総魔さんが歩きだしたことで、

私達は大会会場に向かうことになりました。


まずは3階から1階に降りて、大会会場に向かいます。


その途中で係員さんの誘導によって会場の中心に位置する試合場へと案内されました。


O型のグランパレスの丁度真ん中ですね。


ここから見て北側と南側にはそれぞれ小さめの試合場が4つづつあるのですが、

この試合場が最も大きくて、学園の会場と比べても5倍くらいの広さがあるように思えます。


当然、開始線の位置もかなり距離が離れているので遠距離攻撃が有利な気がするのですが…。


どうなのでしょうか?


実際に試合をしてみないとわかりませんが。


試合場そのものもかなり頑丈に出来ていそうなので、

総魔さんや翔子先輩がアルテマ級の攻撃を仕掛けない限りは

そうそう簡単には壊れないような気がします。


どうやらここを含めた9つの試合場で試合が行われるようですね。


「この試合場は決勝戦で使うのよ~」


南北にある試合場は、

決勝戦以外の試合で使うと翔子先輩が教えてくれました。


私は初参加なのですが、

先輩達は何度も参加しているので当然この試合場で決勝戦を勝ち抜いてきたのだと思います。


…となると。


この広い試合場へたどり着くことが最初の目標なのかもしれません。


もちろん最終的には優勝を目指すのですが、

その前にここへ来れるように勝ち抜くことが重要になります。


この試合場にたどり着けなければ優勝できないからです。


それは分かっているのですが…。


はぅぅぅ…。


すでに集まっている他の学園の方々に視線を向けてみると、

どう見ても私よりずっとずっと強そうな方々ばかりです。


本当に私なんかが参加してもいいんでしょうか?


周りを見ているだけで私の心は不安で一杯になってしまいます。


たった一晩でどれだけのことが身についたのかは私自身も分かりません。


ですが。


先輩達の足を引っ張らないように出来る限り頑張りたいとは思います。


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