覚えた魔術は
《サイド:深海優奈》
はう~。
あっという間に午前6時30分です。
「もう、朝になってしまいましたね」
「ああ、そうだな」
朝日が昇り、外が明るくなってきた頃になってようやく私と総魔さんは部屋の前まで戻ってきました。
色々と学ぶことが多くて徹夜になってしまったのですが、
その分、今まで以上に出来ることが増えたと思います。
新たに覚えた魔術は一つだけなのですが、
応用的な技術は幾つか学べたと思うんです。
そのせいで総魔さんにご迷惑をお掛けすることになってしまいましたが、
総魔さんには気にしなくていいと言っていただけました。
なので。
少しでも先輩達の足を引っ張らずに済むようになれたとすれば努力をした甲斐がありますし、
協力していただいた恩返しの意味も含めて精一杯頑張ってみようと思います。
「開けますね」
総魔さんの前に進んで部屋に入るために緑色の扉に手をかけようとすると、
丁度、朝食を運んできた係の人と出会いました。
「おはようございます。朝食をお持ちしました」
「あ、はい。ありがとうございます」
お礼を言ってからすぐに、急いで扉を開けて係の方々の為に道を譲ります。
「お気遣い、ありがとうございます」
「いえ」
一礼してから室内へと料理を運ぶ係員さん達が通り過ぎてから、
私と総魔さんも部屋の中へと入りました。




