私としては
《サイド:美袋翔子》
う~。
ねむい~。
あくびをこらえながら近くにある時計を見てみる。
時刻は午前6時40分ね。
集合時間が7時だから、まだ少し余裕があるわ。
いつもより早く起きれたから、
準備と朝食を済ませたあとで校舎の前にたどり着いたんだけど。
探すまでもなく、すでに龍馬と沙織の二人が校舎の入口付近で待っていたわ。
…って、早すぎるでしょ。
集合時間までまだ20分もあるのよ?
こんなに早く集まってどうするのよ。
何もせずにただ待つだけなら、
もう少しゆっくり寝ててもいいんじゃない?
私としてはね。
予定さえなければあと1時間くらい、
だらだらとベッドの上で過ごしていたいって思うのよ。
まあ、でもね~。
個人的にはそう思うんだけど、
二人にとってはそうじゃないんでしょうね。
龍馬も沙織も眠そうな雰囲気なんて一切見せずに、
しっかりと集合時間より早く集まっていたわ。
う~ん。
ホントに優等生って感じよね~。
って言うか、この二人ってホントに早起きよね?
どうして眠くないのかが不思議でしょうがないわ。
…なんてね。
色々と思うことはあるけれど。
うだうだと考えていても仕方がないし、
ひとまず二人に歩み寄ることにしたわ。
「おはよ~!」
元気一杯に挨拶してみる。
眠いからこそ、声を出すのは大事よね。
ちょっとした目覚ましになるからよ。
そんなくだらないことを考えながら挨拶をしてみたんだけど、
二人もちゃんと挨拶をしてくれたわ。
「おはよう、翔子。ちゃんと起きれたのね」
「うん。まあね~」
「おはよ。調子はどうだい?」
「ばっちりよ!」
ものすごく眠いけどね。
それ以外の問題はないわ。
「それより、他の皆は?」
「まだ来てないよ」
「あれ?そうなの?」
いつも私が最後に到着してるような気がするんだけど…
今日は待たせる側じゃなくて、待つ側のようね。
笑顔で出迎えてくれた二人に微笑みを返しつつ。
他の皆が集まるのを待つことにしたわ。




