4人揃って
《サイド:美袋翔子》
さて、と。
沙織が目覚めたあとで、私達は再び食堂に戻ってきたわ。
まあ、すでに12時50分になってるけどね。
移動にも時間がかかるから仕方がないんだけど。
何だかんだで一時間近く経ってたようね。
私と沙織、優奈ちゃんと悠理ちゃんの4人で進む食堂は満員御礼の超混雑状態だったわ。
「う~ん。これはさすがにしんどいわね~」
ぼやく私の言葉に苦笑いを浮かべる沙織達。
こうなるともう、まともにご飯を食べるのは諦めた方がいいかもしれないわね。
そう判断してからみんなに確認することにしたのよ。
「沙織もパン派でしょ?」
「ええ、そのつもりだけど…」
沙織の言葉を聞き終えるよりも先に、
今度は優奈ちゃんと悠理ちゃんに尋ねてみる。
「二人は?」
「「………。」」
二人は揃って首を傾げてるわね。
まだ決めてないのかな?
そんなふうに思う私に、悠理ちゃんが答えてくれたわ。
「何でも良いです!」
そして、「私も…」と、小さな声で同意する優奈ちゃん。
みんなの意見をまとめたことで、私は行動することにしたのよ。
「ちょっとここで待っててね~!」
みんなを置き去りにして駆け出した私は、パンの購買所に向かったわ。
もちろんここも混雑気味だけどね。
だけど他に並ぶよりかは早く済むわ。
すでにあるものを買うだけだからよ。
作る時間を待つ必要はないの。
そう考えた私は、持てる限りのパンを購入してから皆が待つ場所へ戻ることにしたわ。
たぶん、10分もかからなかったでしょうね。
みんなと合流した私は、そのまま4人揃って食堂を出ることにしたわ。
「どうせなら外で食べましょ」
「ふふっ。そうね」
「は、はい。」
「どこでもいいですよ~」
私の意見に賛成してくれる3人の返事を聞いてから、
私達は中庭に移動して昼食をとることにしたのよ。




