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翔子の遺品
「翔子は…幸せな最期を迎えられたのかしら?」
…それは、どうだろうな。
「それは俺にも答えられない。だが、そうであってほしいと願っている。」
「ふふっ、そう。貴方もそう想ってくれるのね。だったら良いの。きっとあの子は幸せな気持ちで終われたと思うから、だからその言葉を聞けただけで満足よ。」
「…すまない。」
「謝らなくて良いの。結果はどうあれ、全てはあの子の自己責任だから、だから貴方が謝る必要はないわ。」
………。
俺の謝罪を笑い流しながら、
翔子の母はもう一つの荷物を俺に差し出してきた。
「あの子が大切にしていたものよ。今となっては形見の一つだけれど、翔子を愛してくれた貴方にあげるわ。迷惑でなければ受け取ってもらえないかしら?」
「迷惑だとは思わないが…いいのか?」
「貴方が受け取ってくれるのなら、きっと翔子も喜んでくれると思うから。」
………。
一切の迷いを見せずに俺に手荷物を託す翔子の母。
その想いを受けとるために翔子の遺品を受け取ることにした。




