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優奈が適任
「これで、終わったんですね。」
…ああ、そうだな。
最後まで試合を見届けたことで役目を終えた優奈が歩み寄ってきた。
「お疲れさまでした、総魔さん。」
…ああ。
これで終わりだ。
「これ以上、御堂のために出来ることは何もない。だから優奈、次はお前の番だ。」
「はい。分かっています。これからすぐに会いに行こうと思います。」
…ああ。
遺された想いを伝えるために。
最後の役目を果たすのは優奈が適任だろう。
「常磐成美は任せる。」
「はいっ!」
俺の許可を得たことで即座に行動を開始しようとする優奈だったが。
「…まあまあ、待ちたまえ。」
会場を去ろうとする前に宗一郎が引き留めてきた。




