神の領域
「御堂、お前の成長は認めよう。だが、それでもまだ俺には遠く及ばない。」
「………。」
新たなルーンでさえ俺の防御は突き抜けられなかった。
その事実が判明した以上。
今の御堂と戦い続ける意味はないだろう。
「お前が本当の意味で俺に追い付くにはまだまだ力が足りないようだ。」
「…くっ!」
先程の攻防だけで御堂も互いの実力差に気付いたのだろう。
返す言葉をなくして黙り込んでしまっている。
「今のお前では話にならない。だからこそ、お前にもう一度だけ試練を与えることにしよう。」
「僕に…試練?」
俺の宣言に戸惑いを感じる様子の御堂だが、
いちいち説明するつもりはない。
「もう一度乗り越えて見せろ。真の精霊の力を。」
「精霊…?って、ま、まさか…っ!?」
思い当たる事実に気づいて再び表情を曇らせる御堂の視線の先で再び天使を降臨させる。
「ナイツ・オブ・ラウンド!!!」
現れる精霊は4体だ。
俺に忠誠を誓い。
俺のために戦い続ける仲間達。
美袋翔子。
常盤沙織。
北条真哉。
そして米倉美由紀。
4人の姿を受け継ぐ精霊が試合場に降臨して俺の周囲に布陣した。
「分かるか御堂?これが世界を創造する力だ。」
「本当に、きみは…神の領域にいるんだね…。」
天使を従えてあらゆる闇に戦いを挑む力を示す俺を見た御堂はさらなる恐怖を感じた様子だった。




