最後の相手は
「久しぶりだな、御堂。」
「…っ!?」
俺の姿を目にして。
俺の声を聞いた御堂は。
言葉にできない想いを表情で示しながらも、
ふらつくような足取りでゆっくりと歩みだした。
「総…魔…?総魔ぁぁぁぁぁっ!!」
俺がここにいることが信じられないのだろう。
必死に駆け寄ってこようとする御堂だが、
その前にゆっくりと手で制する。
「落ち着け御堂。」
「…っ!」
制止を受けて足を止めた御堂だが、
それでも御堂の瞳は俺から全く動かなかった。
「そんなに見つめなくても逃げたりはしない。少なくとも、お前との再戦の約束を果たすためにここにいるわけだからな。」
「僕との…再戦?」
「ずっと望んでいただろう?俺と再び刃を交えて力付くで引き留める。かつてお前はそう考えたはずだ。」
「ま、まさか、そのために…っ!?」
…ああ、そうだ。
「そのために全ての条件を整えて、ここに戻って来た。」
「だ、だったら…!だったら僕の最後の相手は…っ!?」
「もちろん俺だ。」
「っ!!」
もう二度と叶わないと思っていた再戦。
それが実現されることで御堂は全ての思考を振り払ってまっすぐに俺と向かい合ってくれた。
「まさかこんな日が来るなんて思っていなかったけど。だけどきみを倒すことが僕の最後の試練なんだね?」
「ああ、そうだ。できるものなら、だがな。」
「…は、ははっ。きみも変わらないね。」
「ああ。」
「…やっぱりきみは変わらない。いままでも、そして今この時でさえ、僕にはきみの底が見えないんだ。僕だってあの頃より成長したはずなのに。それなのにきみにはまだ手が届かないような…そんな気がするよ。」
「そう思うのなら乗り越えて見せろ。」
そして俺を越えて自らの力と意思を示せ。
「それが俺とお前の関係だ。」
力を示して互いの想いを確かめあう。
それが俺達の関係であり。
これからも変わることのない宿命だと思っている。
「俺を従えるか?それとも俺を手放すか?答えはお前自身の手の中にある。」
「あ、ああ、そうだったね。僕達はずっとそうやって戦ってきたんだ。だから、だから今回もお互いに全力で戦おう。」
…ああ、それでいい。
互いの力で語り合うこと。
その関係を思い出した御堂は全ての迷いを捨てて戦う覚悟を決めたようだった。




