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午後5時ちょうど
不意に検定会場に鳴り響いた足音。
その小さな足音に気付いた御堂は一瞬にして動きを硬直させていた。
「ま、まさ…か…っ!?」
決してあり得ないと考えていた答えに思い至ったことで体を震わせたのだろうか?
御堂の瞳は優奈達が立つ会場の入り口方向を向いているために、
会場の後方から歩みを進める俺の姿をまだとらえていない。
それなのに。
『コツン』と足音をならすたびに御堂の緊張が高まっていくのがはっきりと感じられた。
「そんな…?そんな…はずは…っ!?」
聞こえてくる足音に戦慄さえも感じて体を振るわせ続けている。
「こ、この、気配は…っ!?」
御堂の瞳はまだ答えを映さず。
御堂の感覚では魔力の波動を感知できなくても。
直感的に感じる何かがあるのだろう。
「まさか…?まさか…っ!?」
優奈がここにいることから考えられる可能性。
「…総…魔?」
ついに最後の答えにたどり着いた御堂は、
俺の名を呟いてからゆっくりと背後へと振り返った。
「い、生きて…生きていたんだね…?」
…ああ、そうだ。
「…総魔。」
時刻は5月15日の午後5時ちょうど。
御堂はついに俺の姿を自らの瞳で捉えた。




