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THE WORLD  作者: SEASONS
5月15日
4744/4820

予想よりも速い

「それでは行きますよ!!」



…ああ。



試合開始と共に精霊を操る演技を始める竜崎雪の動きに合わせて、

北条の体から真っ赤な炎を生みだす。



「バーニングソウル!!」



赤く激しく燃え盛る炎が北条の体を包み込んだ。



「最初から全力です!」



炎を纏う姿は理沙の精霊である炎の鳥と酷似しているものの。


攻撃と治療を共有する理沙の力とは違って、

北条の炎は攻撃だけに特化している。



「バーニングソウルか…。久々に見たよ。」



北条の全てを知る御堂は一目見ただけで魔術の特性を思い出したようだな。



「炎を身に纏った状態からの突撃系魔術の連撃だね。さすがに接近戦となると真哉のほうが優勢かな?」



…だろうな。



通常の試合であれば御堂が怖れる理由は何もないが。


近接戦闘のみで戦わなければならないという制限がある状況下では、

さすがの御堂でも楽に勝てる相手ではないはずだ。



「全ての攻撃を防ぎきって反撃できるかどうか…。そこが勝負の分かれ目だろうね。」



…ああ。



ルーンによる攻撃で互いに斬りあうとなれば先に一撃を入れたほうが圧倒的に有利になる。


例え一瞬でも動きを止めた側が一方的な攻撃を受けるのは間違いない。



「勝負は一瞬。どちらかが隙を見せた瞬間に終わる。」



その決着として自分が勝つために。



「全て防ぎきってみせるよ。」



御堂は神剣を構えた。



「さあ、始めよう。」



互いに準備が整い。


それぞれの武器を構える御堂と北条。



神剣と炎槍のどちらが勝利を手にするのか?



勝負の行方は一瞬で決まる。



「さあこい、真哉っ!!!」


「ボルガノン!!」



精一杯の気迫を込めて迎撃の構えをとる御堂に竜崎雪が応える。



「そして、ソニックブーム!!!!」



炎を身に纏う北条に風の属性を付加して突撃させる複合技。


ボルガノンにソニックブームを上乗せすることによって北条の体が炎の渦に包まれた。



「くっ!?予想よりも速い!!」



紅蓮の炎を撒き散らしながら暴風のように駆け抜ける北条は御堂の記憶を上回る速度で迫っていく。



「一応言っておきますが、御堂さんが知っている北条さんと同じだとは思わないほうがいいですよ?」


「………っ。」



語りかける竜崎雪に返事を返す余裕もないまま必死に攻撃を防ぐ。


そんな御堂の様子を眺める竜崎雪は、

精霊を操る演技を続けながら北条の成長を語ろうとしていた。


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