演技力
「一度耐えきったくらいで勝てるなんて思わないでくださいね!まだまだここからが本番ですよっ!」
翔子が両手で構える金色の弓に新たな魔術を展開させつつ御堂に狙いを定める。
その姿は堂々としていて、
まるで本当に精霊を操っているように思えた。
…大した演技力だな。
…おとなしそうに見えても、やはり女王の妹ということか。
『あ、あは…あははは…っ。』
一連の流れを的確に把握して演技を続けているのだが、
俺の指摘を受けた竜崎雪は気まずそうな表情を浮かべながら曖昧に笑ってごまかしていた。
『あ、あまり言わないでくださいっ。これでも結構恥ずかしいんですから…っ!』
…だろうな。
御堂はまだ何も知らないが、
竜崎や長野沙弥香は全て知っているからだ。
もちろん宗一郎も竜崎雪が演技をしていることを知っているために、
事実を知る者達からすれば微笑ましい努力をしているように見えるだろう。
『私は、その…詐欺師でも魔女でもありませんから…っ。あ、あまり追求しないでください。お願いしますっ。』
恥ずかしそうに顔を赤く染めつつ必死に俺の指摘を否定してくる。
『わ、私だって恥ずかしいんですからっ!』
自分の演技力を追求されたくないのか、
心の中で必死に抗議し続けていた。




