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魔術大会とは違うから
…終わったか。
宗一郎が倒れたことで御堂の勝利が確定した。
とは言え、勝利の代償として御堂も力尽きてしまったようで試合場に膝をついている。
「さすがに、ちょっと…もう…無理かも…。」
…だろうな。
「魔力も限界だし、体力ももう…。」
これまでの激戦によって限界に達しているのが感じられる。
…まあ、これは当然だろう。
一試合ごとに一度だけ参加すれば良かった魔術大会とは違うからだ。
同世代ではない格上の魔術師達と連戦を行うというのは並大抵の苦労ではない。
…御堂だからここまでこれたが、他の者達ではここまでこれなかっただろうな。
さすがにこれ以上の連戦は不可能と判断するべきだ。
試験そのものを中止にするわけにはいかないが、
休憩時間くらいはあっても良いだろう。
そのために中立の立場の竜崎達に試験を中断してもらおうと考えたのだが。
「…そろそろ御堂先輩に魔力の供給をしますか?」
俺が行動を起こす前に優奈が問いかけてきた。




