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次はお前の出番だ
「ひとまず今回の試合に関してはこの辺りでいいだろう。」
黒柳の体も運び出されて再び一人だけになったことで、
宗一郎が次の対戦相手を告げる。
「さて、ここまでくればもう余計な説明は必要ないだろう。重郎、次はお前の出番だ。」
「………。」
宗一郎の指名を受けて自分の順番が来たことを理解した琴平重郎は、
特に不満を口にせずにゆっくりと歩みを進めていった。
「私が呼び出されると言うことは…つまり、そういうことなのでしょうね。」
何も聞かずとも自分の役目を理解したようだな。
その判断力は素晴らしいと思うが、
御堂を上手く誘導できるかどうかが最大の焦点となる。
「本来なら他の学園の試験に参戦するということもあり得ないのですが…。相手が御堂君であり、共和国の代表と考えれば不満はありません。」
共和国の代表になる御堂のためなら、
ここで倒れることにも異論はないと考えているようだな。
「私で良ければ、お相手させていただきます。」
疲労困憊の御堂を見つめながらも、
琴平重郎は宗一郎の合図を待つことにしたようだった。




