一方的
「アストラルフロウ!!!」
「無駄だ!!動きが遅いっ!」
沙織から受け継いだ魔術によって雷を防ごうとした御堂だが、
魔術が迎撃されることを先読みしていた黒柳はすでに御堂の背後に回り込んでいた。
「ビッグ・バン!!!」
左手で魔術を放ちながら右手で巨大なハンマーを振り回す。
「うああああああああああああっ!!」
背後をとって放つ回避不可能な魔術によって御堂の動きは完全に止まった。
そして響き渡る鈍い打撃音。
「ぐ…っ!?かはっ!!」
黒柳のハンマーに叩き伏せられた御堂が試合場に倒れ込む。
「つ、強すぎる…っ。」
「まだまだこんなものではないぞ?」
魔術による衝撃と強力な打撃による圧迫。
二つの攻撃を受けた御堂はすでに口から血を吐き出している状態なのだが、
それでも黒柳の追撃は止まらない。
「ふんっ!!」
倒れた御堂の体を強引に蹴り上げてからハンマーを叩き込む。
「ぐぅっ!?ああああああああぁぁ…っ!!」
悲鳴を上げる御堂が試合場を転がっていく。
「くっ。このままじゃ…。」
倒れたままでは危険だと判断したのだろう。
逃げるように黒柳から離れようとした御堂だが、
その逃亡さえも見逃してはもらえなかった。
「逃亡を見過ごしてもらえるなどと甘い考えは捨てることだな!」
転がりながら距離をとろうとする御堂を追い詰めるために。
黒柳は攻撃を続けていく。
「ホーリー!!!」
放たれたのは白い雷とも呼ぶべき聖なる光だ。
「くっ!?」
頭上から降り注ぐ数百の光に襲われた御堂は、
迎撃の隙も与えられないまま黒柳の魔術に飲み込まれてしまった。
「うあああああああああああああっ!!!!!!!!」
容赦なく降り注ぐ光を浴びて次々と全身を射ぬかれていく。
「…あああああああああああああああああああっ!!!」
逃げることも立ち向かうことも出来ない。
一方的に攻撃を受け続ける御堂は、
ただただ叫ぶことしかできずにいた。




