一人目に
「………。………。………。…は?」
突然宗一郎に指名されたことで呆然としている。
そんな西園寺つばめの表情を見れば、
自分が巻き込まれる可能性を全く考慮していなかったことが十分に伝わってくる。
…予想以上に良い反応だな。
御堂の試験が外部からの影響を受けているという考えを払拭してくれる可能性が高まるからだ。
…これで御堂が真実に気づく可能性が低下したな。
そうなることも考慮した上で一人目に西園寺つばめを指定したという理由もあるのだが。
…これで気づく者達もいるだろうな。
西園寺つばめが指名されたことで、
次に自分が巻き込まれる可能性があることに気づく者達が出てくるだろう。
…それでも逃げはしないだろうが。
抑えきれない緊張とぬぐいきれない不安を感じる者が現れるだろうとは思う。
…とは言え、気づいたときにはすでに手遅れだ。
もはや会場からの逃亡は許されない。
この場を取り仕切る宗一郎が認めないからだ。
…ある意味では死刑宣告に等しい状況だが。
ここまで来た以上は最後まで巻き込まれてもらうつもりでいる。
…最後まで付き合ってもらうぞ。
途中退場を許さずに水晶玉を眺めていると。
「きみでなければ意味がないのだ。」
宗一郎は戸惑う西園寺つばめを強引に決戦の舞台に呼び寄せた。




