それまでとは違う人生
受付から会場の内部に歩みを進めた宗一郎達は、
すでに黒柳達によって用意されている決戦の舞台に移動した。
「さて、ひとまずきみにはここで試験を受けてもらうことになる。」
検定会場の中心に位置する試合場。
その場所に残る思い出は俺も御堂も決して忘れはしないだろう。
…その場所こそが俺と御堂の始まりの地だからな。
グランパレスの舞台ではまだ足りない。
俺達が決戦を迎える舞台としてもっとも相応しい場所はこの場所以外に考えられなかった。
…俺達の戦いはここから始まった。
今日に至るまでの全ての思い出はこの場所から始まっている。
…だからこそこの場所以外に御堂と戦うべき舞台はない。
そんなふうに考える俺と同様に。
「何度訪れても、この場所だけは特別な気持ちを感じます。」
御堂も複雑な心境を口にしていた。
「本当の意味で僕の戦いはここから始まったんです。この場所で…総魔と戦ったあの日から…僕の人生は動き出したんです。」
それまでとは違う人生。
ただ単純に頂点の栄光を手にするだけの恵まれた人生ではなくて本当の意味で想いを叶えることの大切さと難しさを知った御堂は、
まだ身を潜めている俺よりも一足先に決戦の舞台に立った。
「この場所を用意していただいてありがとうございます。この場所こそが僕の決戦に相応しい舞台だと思います。」
学生生活最後の思い出として決戦の舞台に立つ御堂。
その瞳には気力がみなぎり。
抑えきれない魔力が覇気となり。
検定会場全域に冷たい風が吹き抜けていく。
…良い気迫だ。
今の御堂には焦りも緊張もない。
ただ冷静に心を落ち着けて試験の成り行きを待ちわびている。
…それでこそここまで準備を進めてきた価値がある。
だが、俺が用意した試練は甘くはない。
…どこまで冷静さを保てるのか、最後まで見届けさせてもらおう。
今はまだ余裕をもって行動している御堂にあらゆる試練を与えるために。
…さあ、始めよう。
終演へと至る最後の計画を眺めることにした。




