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言動の全て
「まあ、千夏のことは私に任せておいて!ちゃんと話し合って納得してもらうつもりでいるから。」
必要以上に心配しなくて良いと力説する美春が優奈に対して微笑んだところで。
「…さて、それでは始めようか。」
竜崎雪の精霊から宗一郎の声が聞こえてきた。
「もはや説明は十分だと思うが、この試験はきみの言動の全てを評価対象とする。」
…やはりそうなるだろうな。
要するにウィッチクイーンに負けても試験そのものに影響はないということだ。
「試合の勝敗は気にせずに思う存分実力を発揮するといい。」
勝敗を問わないという前提を強調してから、
宗一郎は長野敦也と長野沙弥香の中間地点に立った。
…ようやく始まるな。
美春と話し合っている間にも試合の準備は進んでいたようだ。
…さあ、見せてもらおうか。
長野敦也がどこまで戦えるのか?
そして長野沙弥香はどこまで自らの実力を公開するのか?
…お前達の力を示せ。
現在の竜の牙の実力を確かめるために。
水晶玉に移る試合を眺めることにした。




