4617/4820
5人の患者
「…えっと。結局、私はどうすれば良いんですか?」
「もちろんきみの治癒能力を見せてもらう。」
ひとまず琴平重郎の評価は理解できたようだが、
肝心の試験内容は明らかになっていないからだろう。
不安を感じる様子の美春に宗一郎が答えた。
「今からここに5人の患者をつれてくる。」
「患者?」
「ああ、そうだ。本来なら病人を試験に呼び出すのは礼儀に反する行為だが、まあ相手が相手だからな。特に文句を言ってくることはないだろう。」
「え?あ、あの…。文句って、一体どんな人なんですか?」
どんな患者が運び込まれてくるのか?
その疑問に答えるよりも先に。
「連れてきてくれ。」
宗一郎は会議室の奥に向かって合図を出した。




