通信手段
…さて。
ここで一つの問題と直面することになった。
…試験を観察するのはいいが、水晶玉では会話が聞けないのが欠点だな。
優奈自身は秘宝の力によって一通りの会話を聞き取ることもできるようだが、
俺と薫は水晶玉を通して見ることしかできないせいで現地の会話の内容までは聞き取れない。
…グランパレスでの杞憂玄夜と澤木京一の会話に関しては常に優奈が報告してくれたために薫も全ての内容を聞けていたのだが。
この状況で優奈の報告を待っていては理解と把握がずれてしまうことになる。
…すでに把握している内容を聞いていたあの時とは状況が違うからな。
杞憂玄夜の会話はすでに推測できていた。
だからこそ優奈の報告だけで十分に内容を理解できたのだが今回は状況が違い過ぎる。
「やはり見ているだけでは状況が把握しきれないな。」
会話が聞けないという現状を打破するためには?
…やはり通信手段が必要か。
その方法として考えられる最善の手段は何だ?
…俺が精霊を送り込んでもいいが。
「ここはやはり適任者に頼むべきだろう。」
この学園にはすでに通信手段を持つ精霊使いがいるからだ。
「竜崎雪に精霊を派遣してもらおう。」
それが最も確実な方法であり。
俺達の存在を悟られないための最善策だと判断して、
竜崎雪に話しかけることにした。




