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あとは美春次第
…ふぅ。
…もう昼か。
学園内だけとは言え、
各地を移動しているせいで時間が経つのが早く感じてしまう。
…あまり時間に余裕がなかったからな。
どうにか一通りの目的は果たしたのだが、
研究所を出る頃にはすでに時刻は午後1時になろうとしていた。
「もうお昼を過ぎてるけど…?」
薫が俺に話しかけてくる。
「それで、兄貴。次はどこにいくの?」
…そうだな。
残る最後の目的を果たすためには御堂の卒業試験が始まるのを待つしかないのだが、
それまでは特にやるべきことがないからな。
このあとの予定をどうするかは、
直接本人に聞いたほうが早いだろう。
「俺の用件は全て終わったからな。あとは美春次第になる。」
「…そっか。やっと…って、感じね。」
これまでずっと話し合いを望んでいた美春に今後の予定を預けたことで、
美春は嬉しそうに微笑んでいた。
「とりあえず着いてきて。近場に良いところがあるから。」
「はいっ。」
「良いわよ~。」
歩き出す美春におとなしく着いていく優奈と薫。
そんな3人の後ろ姿を眺めながら、
俺も美春のあとを追って歩き出すことにした。




